当学会とNeuropsychopharmacology Reports(NPPR)誌との連携のお知らせ

当学会とNeuropsychopharmacology Reports(NPPR)誌との連携のお知らせ

私達の学会は、精神科、内科、法医学、公衆衛生学、薬理学、看護学という医学領域から心理学、社会学、犯罪学、法学領域まで非常に広い学会で、始まりは1965年に設立されたアルコール医学会を起源としています。当初より学会誌を発刊してきているのはご存知の通りです。この雑誌は1996年よりPubMedに収載されてきましたが、2016年を最後に収載されなくなりました。再収載されるように努力をしてきましたが進捗がない状況です。一方、先日行われた会員アンケートの結果、PubMed収載、英文オープンアクセス誌、機関誌事業財務の健全化が会員の皆様に重視されていることがわかりました。
  そこで、既にPubMed収載されており日本発の英文オープンアクセス誌であるNPPR誌(注1)をアソシエートジャーナルとして、会員の皆様の利便性を高めることにしました。Neuropsychopharmacology Reportsという雑誌名ですが、学際的に収載されるジャーナルです。つまり、アルコール・アディクションに関する論文であればout of scope にならないようにNPPR編集部と調整済みです。また、アソシエートジャーナルとすることで、JMSAAS会員が筆頭著者か責任著者の場合はAPC(Article Processing Charge)がディスカウントされます。
  今回、当学会とNPPR誌との連携を記念し、NPPR誌において、Virtual Special Issue: Alcohol and Addictionが2023年1月に発刊される予定となりました。NPPR誌での30報以上のアルコール・アディクション関連の既報論文を収載するとともに、2022年12月末までに投稿されるアルコール・アディクション関連の論文がその後にアクセプトとなれば収載される予定です。
ぜひ会員の皆様にはNPPR誌を投稿先の一つとお考えいただき、ご研究成果をPubMed収載の論文としておまとめいただければと思います。
一方、当学会のアソシエートジャーナルをNPPR誌に限定することはございません。むしろ、他にもアソシエートジャーナルとすることがふさわしいジャーナルを積極的に探しております。ふさわしいジャーナルがありましたら会員の皆様からぜひお知らせ頂けますようお願い申し上げます。
  なお、日本アルコール・薬物医学会雑誌はJMSAASのオフィシャルジャーナルとして継続予定です。オンライン化するなどして広報性を高め、経費節減を図る予定です。

(注1)Neuropsychopharmacology Reports(NPPR)誌は、研究の健全性と研究成果の早期発信を重視した、英文オープンアクセス誌です。一般の学術誌では、研究成果のインパクトが重視され、その理由で採択とならないことも頻繁にあり、また、多くの追加実験や原稿改訂が求められ、出版までに長期間かかることがほとんどです。科学的に正しい手法で行われた研究結果が発表されず出版バイアスが生じたり、結果の研究者コミュニティへの周知に長い期間を要したりして、科学の発展の妨げになっていることも指摘されています。NPPR誌と同様の編集指針であるPLOS ONEやScientific Reportsなどのジャーナルがありますが、投稿が殺到しており、査読期間が長期化しております。NPPR誌は、このような問題を克服するために日本神経精神薬理学会がその機関誌を2018年にリニューアルしたものです。アジア神経精神薬理学会のアソシエートジャーナルの一つにもなりました。出版社は世界の三大学術出版社の一つのWiley社で、リニューアル当初よりNPPR誌の掲載論文はPubMedに収載されております。2021年には、日本臨床精神神経薬理学会でもその英文機関誌を廃刊としてNPPR誌をオフィシャルジャーナルとしました。論文掲載数は年々増加しており、2021年には約100報が出版されました。ダウンロードの75%が海外でなされており、国際的な発信ができるジャーナルです。近々、インパクトファクターもつく見込みです。詳しくは、以下のウェブサイトをご参照願います。
https://onlinelibrary.wiley.com/journal/257417

日本アルコール・アディクション医学会
理事長 宮田久嗣
将来構想委員会委員長 池田和隆
編集委員会委員長 白石光一