1-1号 (2016年7月)

1. 理事長挨拶

齋藤利和
(北仁会精神医学研究所)

20~30 年前に数多くの学会が設立されたために、近接の領域の学会に数多く参加しなくてはならず、発表も学会ごとに新しいものにすることができないために、研究者、特に若手研究者の重い負担となっておりました。

こうした負担を軽減して学術活動を活性化することはもちろん、開かれた学会としての社会貢献や、国際化に対応し国際的に活躍できる若い世代を育てるためにも、また、学会への企業からの援助が減少している中で学会運営の面からも強い体質をもった学会の創造が必要となっておりました。

こうした要請に応え、我々は学会統合を実現してまいりました。平成 24 年(2012 年)9 月 6 日にニコチン・薬物依存研究フォーラムと日本アルコール精神医学会が統合して日本依存神経精神科学会に、そしてついに平成 28 年(2016 年)4 月 1 日に、日本依存神経精神科学会と日本アルコール・薬物医学会とが統合し、日本アルコール・アディクション医学会が誕生いたしました。

学会の統合は困難の連続でしたが、我々は両学会から、全権を委任された統合委員を選出し、6年に及ぶ熱心な深い議論の末、統合を実現しました。

まず、これまで誰をもなし得なかった、学会統合・新学会の創立を学会員とともに心から喜びたいと思います。

さて、危険ドラッグ、大麻、覚せい剤をはじめとする薬物依存や買い物依存、ギャンブル依存、インターネット依存は今や深刻な社会問題ともなっています。

また、職場などにおけるストレスの増加はアルコール問題の増加を招いているだけではなく、ストレスチエック導入の契機となった、うつ病やストレス関連障害の陰にはアルコール関連の問題が潜んでいることが多く、問題をより複雑・深刻にしています。

また、肝障害をはじめとしたアルコール・薬物関連の臓器障害はその拡がりだけではなく、臓器障害者の中に多くのアルコール依存症が含まれており、その多くは未治療なために、臓器障害を進展・重症化させています。

本学会は、アディクションを研究する学会として日本で最大の団体であり、会員は精神科、内科、薬理、法医、衛生公衆、看護学、社会学や脳科学等の研究者や臨床の現場の多くの医療職種の方々で構成されております。

こうした社会状況の中で物質から行動まで、まさに多様な依存・アディクションを巡って様々な分野の人達が議論を交わすことは、研究の面でも医療の面でも意義深いことであることです。

本学会は、わが国における種々の依存・アディクションや関連身体障害の医療・研究に貢献することをその目的にしております。このために、皆様の本学会への参加を心からお願いする次第です。

2. 統合委員会より活動記録

宮田久嗣
(東京慈恵会医科大学 精神医学講座)

「日本アルコール・アディクション医学会」が発足しました日本依存神経精神科学会と日本アルコール薬物医学会の統合の記事も、これで最終回となります。2016 年 4 月 1 日をもって新学会「日本アルコール・アディクション医学会(Japanese Medical Society of Alcohol and Addiction Studies:JMSAAS)」として新たな一歩を踏み出しました。

統合に関する記事で、このようなことを書くのもどうかと思いますが、学会というものは、分派あるいは新学会の設立が進む時期と、統合が進む時期があると思います。いずれの動きも、そのときの疾患をめぐる動向、学会の方向性、社会のニーズ、会員の意向などが複雑に関係して、いわば必然性をもった流れの中で生じるものだと思います。

その意味では、今回の統合も、5 年以上かけて両学会で合同年会や合同シンポジウムを開催したり、人的交流を深めたりしながらお互いの学会のことを理解しようとしてきました。加えて、米国精神医学会の診断基準である DSM-5 で依存性物質だけではなくて嗜癖行動も含めた大きな概念として依存(正確には嗜癖またはアディクション)をとらえなおそうとする動きも関係しているのかもしれません。

日本依存神経精神科学会は、神経科学、精神医学、心理学を中心とした学術集団であるとするならば、日本アルコール薬物医学会は、内科、法医学、精神医学、薬理学、衛生・公衆衛生学などの多領域からなる伝統のある学術集団といえるかもしれません。

現在の学会に対するニーズは、治療ガイドラインの作成、産学連携を含めた研究の推進、国際連携(特に、アジアにおける リーダーシップ)、若手研究者の育成、社会的啓蒙活動などますます大きくなっております。多くの領域の先生方の力の結集なしには果しえない重要な課題ばかりです。この統合が、大きな実りあるものになることを信じております。

最後に、この統合の牽引役となられた理事長の齋藤利和先生、ならびに、具体的作業を進められた統合委員会の先生方、惜しみなく理解と協力をいただいた理事や評議員ならびに会員の先生方に深く感謝申し上げます。

3. 会務報告

総務委員長 藤宮龍也
(山口大学大学院医学系研究科)

●会務報告●

1.会員現況(2016 年 4 月 27 日現在)

会員種別 会員数 正会員 574 名 正会員(評議員) 185 名 正会員(役員) 22 名(理事長指名理事が加わる予定) 学生会員 17 名 施設維持会員(アル薬) 5 名(施設) 施設維持会員・評議員(依存) 13 名(施設) 賛助会員 27 社 名誉・功労会員 27 名 寄贈会員(外国) 38 件 寄贈会員(国内) 15 件 計 923 名(社・件)

2.賛助会員

(アル薬から)サントリービジネスエキスパート株式会社、アサヒグループホールディングス(株)、医療法人社団静和会、医療法人北仁会旭山病院、医療法人大阪精神医学研究所、津軽保健生活協同組合、医療法人群馬会、医療法人内海慈仁会、粟津神経サナトリウム、菊正宗酒造株式会社、医療法人三幸会北山病院、光明理化学工業株式会社、医療法人社団五稜会病院、医療法人社団光風会、医療法人精華園、医療法人恵仁会空知病院、医療法人社団東京愛成会、医療法人社団同仁会、白鶴酒造株式会社研究開発室、医療法人社団修徳会林病院、株式会社福光屋、医療法人社団三愛会、セレニティパークジャパン(以上、24 社)

(依存学会から)日本たばこ産業株式会社、(株)イナリサーチ薬理・毒性試験部、大鵬薬品工業(株)安全性研究所第一研究グループ(以上、3 社)合計 27 社

3.今年度理事会・評議員会・総会・その他会議の開催

【2016 年度 第1回理事会】

日時:
2016 年 4 月 29 日(金)17:00~21:00
会場:
TKP品川カンファレンスセンター

【2016 年度 第2回理事会】

日時:
2016 年 10 月 6 日(木)17:30~19:00 予定
会場:
タワーホール船堀 2F 松・桜

【2016 年度 評議員会・総会】

日時:
2016 年 10 月 7 日(金)11:20~12:20 予定
会場:
タワーホール船堀 5F 大ホール

【2016 年度 総務委員会】

日時:
2016 年 8 月 28 日(日)13:30~15:30
会場:
マイナビルーム2F-X

4.CPDD 奨励賞

本年は、プログラムから選考とする(学術賞選考委員会)

5.柳田知司賞

応募受付:2016 年 7 月中旬まで

6.ニューズレター

2016 年度中 2 回、6 月と 12 月の学会誌発刊に合わせて予定
1号 内容:年会前までの学会の動きを中心に 2号 内容:年会特集号

4. 会計報告

財務担当理事 廣中直行
(株式会社 LSI メディエンス)

【はじめに】

新しい学会の財政を考えることは白紙に絵を描くのに似ています。どんな事業に力を入れるのか、どんな姿の学会を目指すのか、財務状況はそれを具体的に表しています。ご承知のとおり、日本アルコール・アディクション医学会(以下 JMSAAS)は、日本アルコール・薬物医学会と日本依存神経精神科学会が合併して生まれました。両学会の事業理念を引きつぎ、さらなる発展を目指して、財務担当は総務委員長の藤宮龍也理事の監督のもと、会員の声を背景に、京都事務局が主となり、会員動向を掌握する東京事務所と連絡を取りながら仕事を進めています。

【決算報告】

日本アルコール・薬物医学会の最終年度の決算(平成 27 年 8 月 1 日~平成 28 年 3 月 31 日)は、会費関係の収入が約 383 万 円、学術誌販売、掲載料収入が約 160 万円で、当期収入 544 万 円、これに活動準備金取り崩し 200 万円と繰越金を加えて収入合計は 823 万 8684 円となりました。これに対して支出は事業費が約 380 万円、会議費が約 7 万円、一般管理費が約 184 万円、この他に引当預金積立および緒費が加わり、当期支出合計が 612 万 1104 円、最終的に 211 万 7580 円を JMSAAS に引き渡すことになりました。

一方、日本依存神経精神科学会最終年度の決算(平成 27 年 4 月 1 日~平成 27 年 12 月 31 日)は、会費関係の収入が約 242 万 円、ニューズレターの広告収入が約 35 万円で、当期収入の合計 は 277 万 4001 円となりました。これに繰越金を加えて収入合計は 1095 万 5403 円でした。これに対して支出は運営管理費が約 162 万円、会議費が約 75 万円、事業費が約 249 万円で、当期事業に要した費用は 485 万 7016 円でした。最終的に 609 万 8297 円を JMSAAS に引き渡すことになりました。以上の決算は理事会で報告し、ご承認をいただいております。

【予算案について】

JMSAAS 初年度の予算案は現在策定が進んでいるところです。
JMSAAS の財政は日本アルコール・薬物医学会および日本依存神経精神科学会と同じく、一般会計と特別会計から成り立っています。
特別会計とは寄付金、基金などの独自財源があり、用途を限定して支出するもの、一般会計とは会費などの恒常的な収入を基礎として毎年の事業および学会運営に充てられるものです。
JMSAAS の特別会計には柳田賞に関連したもの、国際学会への寄付等に関連したもの、学会演題賞、優秀論文賞に充当する費用などがあります。
一般会計の収入として、当期には会費収入、要旨集・バックナンバーの販売、論文掲載料、広告料などを合算して当期収入として約 1004 万円、両学会からの繰越金が約 820 万円で、総収入として約 1820 万円を見込んでいます。
これに対して支出は雑誌編集、印刷、発送、ニューズレター編集、年会長への総会補助、新規活動費などの事業に約 700 万円、会議費として約 100 万円、一般管理費として約 440 万円を見込んでいます。その他に諸団体会費や予備費を若干見込んでいます。
5 月 31 日現在予算案は税理士と相談しながら最終調整中であり、確定次第、理事会(電子媒体による理事会も含む)でご審議いただく予定です。

【今後の展望】

JMSAAS はふたつの学会が合併したものですが、すでに両方の学会に所属しておられた会員が多いため、当期収入は単純な合算にはなりません。これに対して事業に必要な支出はむやみに抑制せず、むしろ活性化させたいところですから、当期の収支を見ると約 240 万円の赤字になっています。合併前の両学会とも単年度では若干赤字で運営してきたのでありますが、赤字経営は望ましいことではありませんので、冗費の削減、収入増などの対策を取って参りたいと思います。会員諸氏には学会の将来像を見越し、白紙に夢を描く事業に積極的にご協力いただきますようお願いいたします。

5. 2016 年度年会案内

第 51 回日本アルコール・アディクション医学会
会長 高田孝二
(帝京大学 文学部)

第 51 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会を、 2016 年 10 月 7 日(金)と 8 日(土)の2日間にわたり、タワーホール船堀(東京都江戸川区)にて開催いたします。本学術総会は、50 年の歴史を有する日本アルコール・薬物医学会と、20 年の歴史を有する日本依存神経精神科学会との合併により、本年 4 月に本学会が誕生して初めてのものとなります(開催番号は、歴史の古い前者の番号を継承しております)。今回のメインテーマは、本学会が、精神医学、内科学、法医学、薬理学、病理学、衛生学、公衆衛生学、心理学、行動医学、依存臨床の最前線の方々など、非常に幅広い領域の方々で構成されていることから、この学際的である点を生かしうる共通の問題として、「アディクション・サイエンス~ハーム・リダクションの観点から」といたしました。これは、物質関連、非物質関連のいずれも、精神面の依存を中核症状として、身体面、精神面、社会面での多様な障害を引き起こしていることから、様々な角度から「ハーム・リダクション」(有害事象の低減)を可能にする方略を検討することが急務であると考えられたことによります。会の準備は、会員の先生方のご協力により、着々と進んでおります。現在のところ、講演としまして、上記の背景を踏まえ、本学会の来し方行く末などについての理事長講演を、また昨今、薬物依存、とりわけアルコール依存に関連する自殺が大きな問題となりつつあるところから、この方面の権威である札幌医科大学の河西千秋先生に、自殺予防の枠組みについての特別講演をお願いしております。さらに現在、2 種のスポンサードシンポジウムを含む、以下 の 21のシンポジウムを予定しております。このうち4つが今回の学術総会のメインテーマであるハームリダクションに焦点を当て、そのひとつはアジアにおけるハームリダクションをテーマとした、若手国際シンポジウムです。これは、当方が国際委員会委員長を務めさせていただいていることもあり、今後とも国際的な視野を持った企画を学術総会に入れて行きたいと考えたことによります。

シンポジウム(予定)

ハームリダクション

  1. 「ハームリダクションの考え方」
  2. 「ハームリダクション-正しい導入のために
  3. 「ハームリダクションの展開を考える:医療、回復支援、法的処遇の視点で(ディベート)」
  4. 「アジアにおけるハームリダクションの現状と課題 ~タイ、台湾、日本の実情と基礎から臨床への発展に向けて~」(The current state of harm reduction in Asia – Japan, Thailand, Taiwan, for translational research -;若手国際シンポジウム)

アルコール

  1. 「アルコール健康障害基本法施行で変わる私たちの生活」
  2. 「アルコール使用障害ならびに依存症診療における総合病院内、診療所間での医療連携」
  3. 「総合病院におけるアルコール連携医療~その自薦と理論的整理~」
  4. 「アルコールと交通事故」
  5. 「アルコール依存症の非自発的入院治療を考える
  6. 「アルコール依存症の精神科」
  7. 「未成年者・若年成人の飲酒のリスクと予防」

依存症

  1. 「人はなぜ依存症になるのか?どうすれば回復できるのか?」(下記研修会)
  2. 「いったい回復って何だろう?~回復の多様性~」
  3. 「ドラマセラピーによる依存症女性たちのためのチーム医療」
  4. 「薬物依存症に対する心理療法の現状」
  5. 「薬物依存の病態解明・新規治療法の開発:若手研究者シンポジウム」
  6. 「処方薬依存のメカニズム」

その他

  1. 「嗜好品を科学する」
  2. 「ポスト「危険ドラッグ」-薬物乱用状況はどう変わったか-」

スポンサードシンポジウム

  1. 「アルコール依存症の診断と治療ゴールの変化をめぐって」(大塚製薬、ルンドベックジャパン社)
  2. 「たばこハームリダクション」(Harm reduction strategies on cigarettes;ブリティッシュアメリカンタバコ社、フィリップ モリス インターナショナル社・フィリップ モリス ジャパン社)

上記のほか、新学会誕生記念特別研修プログラムとして、依存症や行動のアディクションにかかわるメディカルスタッフ(看護師、薬剤師、精神保健福祉士、保健師など)育成を目的とした研修コースを用意しております。研修プログラムとしましては、10 の教育講演、5 種のワークショップ(うちひとつは臨床心理士専門ポイント申請対象)、上記シンポジウム、さらに、研修総括のディスカッションセッションが予定されております。研修会は学術総会の一部であり、研修会のみの参加者を除き、すべて参加いただけます。なお、プログラムの詳細につきましては、学術総会ホームページに順次掲載いたしますので、ご参照ください。

さらに、今回は一般口演、ポスター発表が可能であり、現在、鋭意募集中です。どうぞ奮って演題の申し込みをお願いいたします。

会場である船堀は、荒川沿いの下町情緒あふれる地域であり、浅草、両国、向島など由緒ある場所と、東京スカイツリー、東京ディズニーランド、お台場など近代的名所にも隣接しております。

また第 2 日の最後には、市民公開講座も予定しております。ぜひ多くの皆様にご参加いただき、これら周辺地域も楽しみつつ、よい議論を重ねていただければと願う次第です。

【開催概要】

名称:
第 51 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会
会議のテーマ:
アディクション・サイエンス ~ハーム・リダクションの観点から
会期:
2016 年 10 月 7 日(金)~8 日(土)
会場:
タワーホール船堀(東京都江戸川区船堀)

ホームページ:
http://web.apollon.nta.co.jp/jmsaas51/index.html

第 51 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会 運営事務局
株式会社日本旅行 ECP 営業部
〒105-0001 東京都港区虎ノ門 3-18-19 虎ノ門マリンビル 11 階
TEL: 03-5402-6401 FAX: 03-3437-3944
E-mail: jmsaas_51@nta.co.jp

6. 2017 年度・2018 年度年会案内

第 52 回学術総会

日時:
2017 年 9 月 7 日(木)~9 日(土)
場所:
パシフィコ横浜
会長:
岡村智教(慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学)

アルコール関連問題学会と共催予定

第 53 回学術総会

日時:
2018 年(日程未定)
場所:
京都予定
会長:
竹井謙之(三重大学大学院医学系研究科 臨床医学系講座)

ISBRA 2018 と合わせて開催予定
お誘い合わせの上、ご参加いただけますようお願いいたします。

7. 賞選考委員会より~学術賞について~

宮田久嗣(東京慈恵会医科大学 精神医学講座)

ここでは、日本アルコール・アディクション医学会の各賞をご紹介させていただきます。

1.柳田知司賞

柳田知司賞は,薬物依存研究の世界的な権威者であり,旧ニコチン・薬物依存研究フォーラムの理事長としてご活躍された柳田知司先生のご功績を顕彰するとともに,この領域の発展に大きく貢献し次世代を担う研究者(50歳以下の方)に与えられる最高賞として位置づけられています.2016年からは、日本アルコール・アディクション医学会の会員が対象となりますので、幅広い領域からの候補者の推薦をお持ちしております。

2.CPDD 賞

米国の薬物依存の学会( College on Problems of Drug Dependence)で発表した日本アルコール・アディクション医学会の次世代を担う若手の会員に与えられる賞です。CPDD は本年で 78 回を数える歴史ある会で、世界の薬物依存研究をリードし てきたことから、CPDD で発表された優秀な演題の中から基礎と臨床で 1 題ずつ CPDD 賞として選出しています。

3.その他の奨励賞

そのほかに、ISBRA(International Society for Biomedical Research on Alcoholism)、APSAAR(Asian Pacific Society for Alcohol and Addiction Research)、AsCNP(Asian College of Neuropsychopharmacology)など、本学会が関連学会となってい たり、設立に深くかかわってきたりした学会があります。

これらの学会で、次世代を担う研究者の方たちが積極的に発表するだけでなく、シンポジウムやワークショップを企画していただき、国際的な視点で研究や臨床をリードできるように支援することを考えています。そのために本学会がスポンサーになったり、賞を設けたりすることを検討しています。ぜひ、積極的に応募していただくことを期待しています。

8. 倫理・COI委員会より

倫理・COI 委員会委員長
白石光一
(東海大学医学部付属大磯病院)

倫理委員会は、学会の運営のみならず学会員の活動において社会的並びに医の倫理に基づいているか、逸脱しているかの判断を行い指導、処罰を勧告する立場にあります。

特に医学、医療の倫理は、「医の倫理」として多くの先人が確立してきたものです。紀元前 5 世紀「ヒポクラテスの誓い」は最も古いもので、医療者や研究者の相互関係、知識や技術の普及、患者の有益性を優先、今でいう安楽死や流産への加担禁止、純粋と神聖を貫く、残虐な医療の禁止、平等な医療など自分なりに解釈すると以上となります。

現在は、1948 年の「ジュネーブ宣言」が医の倫理基本となっています。医師として、生涯をかけ人々への奉仕のために捧げる、師に対して尊敬と感謝の気持ちをもち、良心と尊厳をもって医療に従事する、患者の健康を最優先にする、患者の秘密を守る、同僚の医師を兄弟とみなす、力の及ぶ限り医師という職業の名誉と高潔な伝統を守り続けることを誓う。社会的にも医学会が担う責任は大きくその名誉を傷つけることは社会的倫理に反するものです。

一方、社会的倫理は社会が私たちの行動を判断する基準であり時代とともに変わりますが、根本には人権の尊重があると考えられます。また、基礎研究においても動物実験や生殖系、遺伝子研究における倫理基準の順守がなされているかも今後重視していくことになります。

利益相反COI(conflict of interest)の開示は、臨床研究等を行う上で産学連携が重要な時代に、個人が取得する利益と、所属機関で行う公正な教育・研究における責任とが衝突・相反する状態が不可避的に起こるために必要になりました。この利益相反状態を学術団体が組織として適切に管理して、公正な研究や産学連携活動を推進するために必須となり、当学会でも新体制で今年度からの理事長、理事などのCOIの管理、研究発表、論文発表のCOIの提示をお願いしています。

1 つの企業・団体から年間受け取る金額を報酬額、株式利益、特許使用料、講演料、原稿料、研究費・助成金の総額、奨学寄付などの総額、企業の寄付講座、旅費・贈答品の各項目の規定額を超えているときは開示を要します。金額は、他の学会と合 わせていますので、ホームページでご確認ください。

9. ホームページ紹介

広報委員 廣中直行
(株式会社 LSI メディエンス)

日本アルコール・アディクション医学会(以下、JMSAAS) のホームページの URL は http://www.f.kpu-m.ac.jp/k/jmsas/です。

そこをクリックされると、「あれ、日本アルコール・薬物医学会のままでは?」と思われる方がおられるかもしれません。た しかに見た目はよく似ています。経費を削減する目的もあって、 JMSAAS のホームページは日本アルコール・薬物医学会の(JMSAS)ものを改訂する形で作られました。

しかし中身は違います。とくに学術賞のページは格段に充実させました。JMSAS 時代の優秀論文賞、優秀演題賞のほかに、日本依存神経精神科学会から引き継いだ柳田賞、若手研究者向けの各種国際学会参加奨励賞が記されています。

機関誌のページでは「日本アルコール・薬物医学会雑誌」の投稿規定、バックナンバー情報があり、目次が参照できます。また、新たにニューズレターのページを設けてあります。ここでは日本依存神経精神科学会時代のバックナンバーを、全文参照できます。新たなニューズレターが刊行されるたびに追加していく予定です。

「お知らせ」のページには各種の award の情報などが掲載されますので、随時ご参照ください。「沿革」のページは工事中です。 JMSAAS は元をたどれば 3 つの学会が合同して発足したものですので、沿革をまとめるのにもおのずと工夫と苦労があります。

ホームページは学会の顔です。会員向けの各種の通信はもとよりのこと、この領域の研究や臨床に携わる方に我々の仲間に加わっていただくための情報源にもなるでしょう。

これからも内容を充実させ、学会の姿を正しく、わかりやすく伝えていく努力を続けます。会員各位には頻繁にホームページを訪問され、ご意見・ご提案くださいますようお願いいたします。

10. 雑誌編集委員会より~日本アルコール・薬物医学会雑誌について~

雑誌編集委員会副委員長 白石 光一
(東海大学医学部付属大磯病院)

本学会の歴史を綴るものとしては学会誌が重要な存在となっています。アルコール及び依存、嗜癖に関する研究成果の発表を目的としている機関誌として国内唯一のものとなっている現 在、年6回発行されそのうち1回は総会抄録集です。

初代理事長栗山先欣彌先生(京都府立医科大学薬理学、元学長)を中心に 1965 年に第1巻日本アルコール研究が発刊され第 16 巻から日本アルコール・薬物医学会雑誌 Japanese Journal of Alcohol Studies & Drug Dependence(ISSN1341-8963)として発刊されています。学会名日本アルコール・薬物医学会から今年 4 月に日本アルコール・アディクション医学会と変わっていますが学会機関誌名は変更せずに発刊しています。この名称は PubMedに登録されており海外の検索にも対応しており学術的価値が担保されています。

本学会の特徴として、アルコール及び薬物依存に関するすべての医学的問題に関して対応するため精神科学、内科学、薬理 学、法医学、公衆衛生学、心理学、社会学などの研究成果が掲載されます。

2015 年の投稿論文は 26 件あり、2016 年 1 月からは既に 21 件の投稿があります。編集委員会では、論文査読において専門性の高い内容を査読していただく先生方を決定し依頼しています。査読を受けてくださる先生も年に複数回依頼があることもたびたびで申し訳なく心より感謝いたします。

そこで、投稿される先生方に次の点を留意していただけますようお願いします。

1.英文抄録について native check をする。2.原著、総論、ミニレクチャー、症例報告など、どの発表か明確にする。3.原著において投稿規定に則した記述をする。4.英文発表は native check をする。よろしくお願いします。

本機関誌の論文は、通常は 2 名の査読者が必要ですが、総会発表で座長推薦を受けることで 1 名の査読となり採用までの手順が効率化されています。是非、今年度の総会に発表して座長推薦を受け投稿してください。

本学会の社会的責任も今後大きくなる中、論文として発表することは研究のみならず行政への影響もあり重要となっています。これからも積極的な投稿を期待いたします。

11. 医療保険委員会について

医療保険委員会委員長 杠 岳文
(肥前精神医療センター)

この度、当学会に新たに設置されました医療保険委員会の委員長を齋藤理事長より拝命しました、肥前精神医療センターの杠(ユズリハ)です。アルコール・薬物依存あるいはその他の嗜癖でも、日常診療では高い専門性と他にはない労力を強いられます。依存症治療を行う施設を拡充し有効な治療を臨床現場で早く患者さんの元に届けようとするとき、さらに一般医療機関と専門医療機関の連携を進めようとするとき、医療技術の診療報酬化は鍵を握ります。

今後、労力を要する依存症の診療に見合う外来や入院での診療報酬加算、一般医療機関から依存症の専門医療機関への紹介・逆紹介の加算、一般医療機関でのブリーフインターベンションによる早期介入に対する加算などが実現できれば依存症医療の充実が図れるものと思います。

そのためには、依存症の診療にどのくらいの労力(職種、時間)を要しているのか、どのような費用対効果があるのか、どのような人材育成、研修が必要なのかなどについてエビデンスも重要になります。

平成 22 年度の診療報酬改定で重度アルコール依存症入院医療管理加算(30 日以内 200 点/日、60 日以内 100 点/日)が、そしてこの 4 月の診療報酬改定で依存症集団療法(340 点/回)が 認められましたが、現場の困難な状況を考えるとこれだけでは不十分で、アルコール・薬物その他の依存や嗜癖の診療を行う専門医療機関も全国に整備されているとは言えません。

依存症関連の診療に関わる志のある施設と人材が増えることを期待しながら、この問題に取り組みたいと思います。

当委員会の活動について学会員の皆様からのご意見、ご要望をお待ちしております。

12. アルコール・薬物使用障害診断・治療ガイドライン作成について

樋口 進
(国立病院機構久里浜医療センター)

「アルコール・薬物関連障害の診断・治療ガイドライン」が出版されてから 14 年が経過する。このガイドラインは、国立精神・神経センターの委託研究費による「アルコール・薬物依存症の病態と治療に関する研究班(研究代表者: 白倉克之)」で作成された報告書を大幅に編集し直して作成された。しかし、実際はガイドラインというよりも、むしろ教科書といった内容の書物である。

このガイドラインが出版されて以降、依存の診断・治療に様々な変革があった。たとえば、この間に DSM-5 が出版された。そこでは、依存に代わり使用障害概念が導入され、ギャンブル障 害が正式に依存の仲間入りを果たした。アルコール依存症に抗酒薬以外の治療薬物が導入された。また、断酒一辺倒であった アルコール依存症の治療目標について、節酒の可能性が強く示唆されるようになった。そこには、減酒をターゲットとした新しい治療薬物の開発も関係している。一方、薬物依存治療においては、刑の一部執行猶予制度の本格的導入に際し、治療のあり方について再検討が必要となっている。

このような背景を踏まえ、厚生労働科学研究「アルコール依存症に対する総合的な医療の提供に関する研究(研究代表者: 樋口進)」の一環として、「アルコール・薬物使用障害診断・治療ガイドライン(仮称)」を作成することになった。作成に当たっては、本学会やアルコール関連問題学会と共同作成していくことになる。過去 2 回の準備会で、evidence よりむしろ consensus-based なガイドラインとすること、軽症例にも配慮した内容にすること、プライマリケア医、内科医、レジデントにも使ってもらえる内容にすること、フルバージョン・簡易バージョンを用意すること、Web でも配信すること、などが合意された。今後、内容をさらに検討して執筆に入り、平成 29 年 3 月までに完成する予定である。

文献
1. 白倉克之ほか. アルコール・薬物関連障害の診断・治療ガイドライン. じほう, 東京, 2002.

13. 「薬物依存症に対する集団療法」が診療報酬化に至った経緯

松本俊彦
(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)

平成 28 年度診療報酬改定で「依存症集団療法」が新設されました。これは、覚せい剤や危険ドラッグなどの依存症患者に対して、厚生労働科学研究班「薬物依存症に対する認知行動療法プログラムの開発と効果に関する研究(研究代表者 松本俊彦)で開発された外来集団療法――いわゆる「SMARPP」――を指しています。わが国では、これまで薬物依存症は病気ではなく犯罪と見なされ、「そもそも医療保険給付対象なのか」という意見さえありました。その意味では、薬物依存症に特化した医療技術に対してこのような加算がなされたのは、画期的な出来事といえます。

思えば、SMARPP の最初の試行から丸々10 年が経過しました。現在、SMARPP などのプログラムは、43 箇所の医療機関、24 箇所の精神保健福祉センターで実施され、全国の少年院や保護観察所でも SMARPP に依拠したプログラムが実施されるまで広がりました。

しかし、いまだ多くの課題が残されています。というのも、先に「医療機関の 43 箇所」と述べましたが、実はこのうち約半数はアルコール依存症患者に限定して SMARPP を実施している現状があるからです。これは、薬物依存症患者は依然として「医療における招かれざる客」という現実を反映しています。今回の加算が医療機関の薬物依存症患者に対する忌避的感情の軽減に資することを期待しています。

さて、この依存症集団療法、実施者は精神科医、もしくは精神科医の指示を受けた看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理技術者で構成される 2 名以上の者とされています。

また、1 回の患者数は 20 人を限度とし、90 分以上実施した場合、340 点の算定ができます。なお、施設基準としては、「所定の研修を受けた精神科医、および看護師もしくは作業療法士の専任」が定められています。

問題はこの施設基準にかかる研修です。これは、国立精神・神経医療研究センターが主催してきた「薬物依存症に対する認知行動療法研修」を指していますが、今回、診療報酬加算項目の新設にあたって、厚生労働省より、「関連学会でも研修会を主催できないか」との打診がありました。

さっそく本学会理事会に諮ったところ、齋藤理事長ならびに全理事よりご賛同をいただくことができました。同時に、学会主催の研修会を、豊富な研修実績のある肥前精神医療センターに委託することも決定しました。

診療報酬にかかる研修を主催することで、今後、本学会は依存症治療にいっそう直接的な貢献をすることとなり、多くの医療者に学会のプレゼンスを示すこととなるでしょう。これは、将来における本学会の発展に大きく寄与するものと確信しております。

14. 依存症に対する集団療法に係る研修会の開催について

杠 岳文(肥前精神医療センター)

平成 28 年度より日本アルコール・アディクション医学会主催の「認知行動療法の手法を活用した薬物依存症に対する集団療法研修」の研修会を当院が担当させて頂くことになりましたので、現時点での開催計画をお知らせします。詳細については、今後決定し次第随時当学会ホームページと肥前精神医療センターホームページに掲載予定です。

当院は平成 12~14 年度に厚労科研「薬物依存・中毒者の予防,医療およびアフターケアのモデル化に関する研究」の研究成果報告会を毎年当院で行ったことを契機に、以後毎年 1 回 12 月頃に「肥前アルコール・薬物関連問題研修会」を 3 日間開催してきました。この研修会には多職種 100 名前後の方に全国から参加頂いておりましたが、今年からこの研修会開催経験を基に、表の様なプログラム内容で当学会主催の研修会を開催することになりました。本研修は、平成 28 年度診療報酬改定で新たに算 定が認められた「依存症集団療法」の施設基準にある「依存症に対する集団療法に係る適切な研修を修了した者に限る」の「研修」に該当します。

現在、平成 28 年 12 月 5 日(月)~12 月 6 日(水)の 3 日間、場所は当院医師養成研修センター、100 名の定員で計画しておりますが、3 日間診療を休んでの研修会出席が難しい臨床現場の事情も考慮し、やむを得ない場合 2 日目までの出席でも研修終了の要件を満たすようにプログラム構成されております。

なお、引き続き 12 月 7 日(木)には肥前精神医療センター主催で「ブリーフインターベンション&HAPPY プログラム」研修会を開催しますので、こちらにも多数ご参加いただければ幸いです。

事務局からのご連絡・ご案内

【ご入退会・変更等手続きについて】

周囲に当学会へご興味をお持ちの方がいらっしゃれば、是非、本学会へのご入会をお勧めください。

1)入会について

入会はホームページ掲載の「入会申込書」をダウンロードし、必要事項をご記入の上、下記事務局まで郵送・FAX・Eメール添付等でお申込みください。入会には理事会審査(1 か月に 1 度開催)が必要になるため、正式なご入会までには最大 2 か月程度お時間をいただくことがございます。

日本アルコール・アディクション医学会(東京事務所)
〒100-0003
東京都千代田区一ツ橋 1-1-1
パレスサイドビル (株)毎日学術フォーラム内
TEL.03-6267-4550 FAX.03-6267-4555
E-mail: jfndds@mynavi.jp
事務局営業時間:平日 10:00~17:00
※土日祝、年末年始、学術集会中はお休みいたします。

2)変更について

ご所属、ご職名などに変更がありましたら、ホームページ掲載の「変更届」用紙をダウンロードし、必要事項をご記入の上、 事務局までご連絡ください。

3)退会について

上記の事務局まで FAX、E-mail、郵送等文書に残る手段で、①当学会名、②退会される会員のフルネーム、③○○年度をも って退会するとの一文、の 3 点をご連絡ください。

【啓発用リーフレットについて】

当学会では「あなたの飲酒が心配です」とした、啓発用のリーフレットを 1部 30円で下記印刷所に販売委託をしております。
ご希望の方は下記までご連絡ください。

  • 会社名 :畠山印刷株式会社
  • 所在地 :三重県四日市市西浦 2 丁目 13-20
  • 電 話 :059-351-2711(代)
  • FAX :059-351-5340
  • Email :hpc-ltd@cty-net.ne.jp
※学会ホームページにも同様のお知らせを掲載しております。

編集後記~広報委員会委員長ご挨拶にかえて~

広報委員会委員長 池田和隆
((公財)東京都医学総合研究所 依存性薬物プロジェクト)

新学会発足にあたり、広報委員長を拝命いたしました。微力ではございますが、News Letter の発行、学会ホームページの更新などを通して学会員の皆様のお役に立てるよう努力して参りますので、何卒よろしくお願いいたします。主にホームページを担当する廣中直行委員、法医学領域での企画編集を担当する藤宮龍也委員、公衆衛生領域を担当する岡村智教委員、看護、心理、精神保健福祉などの領域および女性の視点を担当する近藤あゆみ委員、精神科領域および若手の視点を担当する田中増郎委員、統括を担当する池田の合計 6 名の委員で取り組んで参ります。

News Letter は年2回発行予定で、今回のように会員の先生方へ向けたメッセージや、当学会の決定事項、審議事項、学術総会などの情報をお届けするとともに、今後は学会賞受賞者の研究紹介、関連グラント情報、学会員の研究室紹介、海外関連学会参加記など、学会員の皆様のご関心のある情報を掲載して参りたいと思います。

PDF ファイルも作成して、メールでの配信やホームページでの掲載もして参ります。どのような News Letter にするとよいか、ぜひ学会員の皆様からご助言いただきたいので、どうぞよろしくお願いいたします。また、原稿依頼をすることがあると思いますので、その際はご快諾いただければ幸いです。

News Letter は当学会の前身の一つの日本依存神経精神科学会で 2012 年より発行しておりました。一方、もう一つの前身である日本アルコール・薬物医学会では、日本アルコール・薬物医学会雑誌を長年発行してきました。当学会でも引き続き雑誌名を変更せず、編集委員会のもと、日本アルコール・薬物医学会雑誌を発行して参ります。学会誌がさらに学術ジャーナルに特化して発展するために、学会情報などは News Letter が受け皿になって掲載していきたいと思います。編集は当学会東京事務所の鈴木めぐみさんにご担当いただきます。鈴木さんは学会運営業務の前は、編集業務をされていたので、編集のプロです。どうぞご期待下さい。

ホームページは、京都府立医大法医学教室のご厚意により、京都府立医大のサーバーを使わせていただけることとなりました。日本アルコール・薬物医学会のホームページを基にして、日本依存神経精神科学会のホームページコンテンツを加えております。今後、廣中委員の方針のもと、当学会事務局事務員の二本松さんと東京都医学研依存性薬物プロジェクトの江畑裕子が担当して、さらに魅力的なホームページに改訂していく予定です。ホームページに関しましても、ぜひご意見、ご助言をいただけますようよろしくお願い申し上げます。

News Letter とホームページを作成・維持し続けるには、学会員の皆様のご協力とご支援が欠かせないものです。ぜひ皆様のお力をいただいて、学会員の皆様にとって有用な News Letter とホームページにして参りたいと思います。(本 News Letter への忌憚なきご意見をお寄せ下さい。E-mail: jfndds@mynavi.jp にて受付けております)

【付録 1】役員名簿

【付録 2】日本アルコール・アディクション医学会会則 Japanese Medical Society of Alcohol and Addiction Studies
(JMSAAS)

第 1 章 総 則

(名 称)

第 1 条 本会は、日本アルコール・アディクション医学会と いう.英訳名は、Japanese Medical Society of Alcohol and Addiction Studies(JMSAAS)とする.

(事務所)

第 2 条 本会は、事務局を以下に置く.

〒602-8566 京都市上京区河原町広小路 京都府立医科大学法医学教室

また本会は、東京事務所を以下に置く.
〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋 1-1-1
パレスサイドビル株式会社 毎日学術フォーラム内

(支 部)

第 3 条

本会は、必要があれば支部を置くことができる.

第 2 章 目的及び事業

(目 的)

第 4 条 本会は、臨床医学・基礎医学・社会医学その他関係分野の協力の下に、アルコール及び薬物・行動の依存・アディクションに関する研究の進歩並びに知識の普及、情報の提供等をはかり、もって学術・文化の発展に寄与する.

(事 業)

第 5 条 本会は、前条の目的を達成するために次の事業を行なう.

(1) 学術集会、講演会及び研究会の開催
(2) 機関誌及び図書の刊行
(3) 調査研究
(4) 内外の関連学会・協会等との連絡及び協力
(5) その他本会の目的を達成するために必要な事業

第 3 章 会 員

(種 別)

第 6 条 本会の会員は、次のとおりとする.

(1)正会員 本会の目的に賛同し、その活動に参加する医師又は研究者、及びアルコール・ニコチン・薬物及びその他の依存研究に関心がある者で、本会への入会に際し理事会の承認を得た個人.なお、理事会の承認事項は別に定める.

(2)名誉会員 本会に対し特に顕著な貢献があったと認められる者

(3)功労会員 本会に対し長年貢献があったと認められる者

(4)賛助会員 本会の目的に賛同し、その活動を援助する個人、法人又は団体

(5)維持施設会員 本会の目的に賛同し、その活動を 維持する研究施設会員

(6)学生会員 本会の目的に賛同し、本会評議員又 は名誉会員が推薦する者.なお、本会員については一年毎の更新(資格確認審査)を行う.

(入 会)

第 7 条 本会の正会員になろうとする者は、所定の入会申込書を本会事務所に提出し、承認を受けなければならない.

(会 費)

第 8 条 正会員・学生会員及び賛助会員の会費は評議員会の議決を経て別に定める.


2.名誉会員及び功労会員は、会費を納入することを要しない.

3.すでに納入された会費は返却しない.

(会員の権利)

第 9 条 会員は、次の権利を有する.

(1)本会の刊行する機関誌に投稿すること

(2)総会及び学術集会、その他本会の行う事業に参加すること

(3)学術集会において発表すること

(4)その他本会則及び別に定める規定にあげた会員の諸活動事項に参加すること

(会員の義務)

第 10 条 会員は、次の義務がある.

(1) 会費を納入すること、ただし名誉会員及び功労会員はこれを要しない

(2) 評議員会の議決を尊重すること

(資格の喪失)

第 11 条 会員は、次の事由によってその資格を喪失する.

(1) 退会

(2) 禁治産、又は準禁治産の宣言

(3) 死亡、又は失踪宣告、賛助会員の団体の解散

(4) 会員たる法人、又は団体の解散

(5) 除名

(退 会)

第 12 条 会員で、退会しようとする者は、事務所に退会届を提出しなければならない.

(除 名)

第 13 条 会員が次の各号の一つに該当するときは、評議員会の議決を経てこれを除名することができる.

(1) 会費を 2 年以上滞納したとき

(2) 本会の名誉を傷つけ、又は本会の目的に反する行為のあったとき

第 4 章 役 員

(役 員)

第 14 条 本会に、次の役員を置く.

(1) 理事 20 名以内

(2) 理事長指名理事 若干名

(3) 監事 2 名

(役員の選任)

第 15 条 役員は、別に定める規定により、これを評議員の中から選任する.

2.理事長は、理事の互選によりこれを選任する.

(理事長の職務)

第 16 条 理事長は、本会を代表し、会務を総括する.

2.理事長に事故あるとき、又は理事長が欠けたときは、理事長があらかじめ指名した副理事長がその職務を代行する.

(理事の職務)

第 17 条 理事は、理事会を組織し、この会則に定めるもののほか、本会の評議員会の権限に属せしめられた事項以外の事項を議決し、執行する.

(監事の職務)

第 18 条 監事は、次の各号に規定する職務を行う.

(1) 本会の財産の状況を監査すること

(2) 理事の業務執行の状況を監査すること

(3) 財産の状況又は業務の執行について不正の事実を発見したときは、これを理事会及び評議員会に報 告すること

(4) 前号の報告をするために必要があるときは、理事長に理事会の招集を請求すること

(役員の任期)

第 19 条 役員の任期は、 4 年とし再任を妨げない.

2.補欠又は増員により選任された役員の任期は、前任者又は現任者の残任期間とする.

3.役員はその任期満了後においても後任者が就任するまでは、その職務を行なう.

(役員の解任)

第 20 条 役員は、本会の役員としてふさわしくない行為のあった場合、又は特別の事情のある場合には、その任期中であっても理事会及び評議員会の議決により、理事長がこれを解任することができる.

(役員の報酬)

第 21 条 本会の役員は無報酬とする.ただし、会務に要した費用は、これを支弁することができる.

第 5 章 評議員

(評議員)

第 22 条 本会に評議員を置く.

2.評議員は、評議員会を組織し、この会則に定める事項、理事会より諮問のあった事項、及び本会の運営につき必要な事項について審議する.

3.評議員は、別に定める規定により正会員の中から、理事会の審議を経て理事長が任命する.

4.評議員の任期は 4 年とし、再任を妨げない.

第 6 章 会 議

(理事会の招集等)

第 23 条 理事会は、毎年 2 回理事長がこれを招集する.ただし理事長が必要と認めたときは、臨時理事会を招集することができる.

2.理事現在数の 3 分の 1 以上から、会議に付議すべき事項を示して理事会の招集を請求されたときは、理事長は、その請求があった日から 30 日以内に臨時理事会を招集しなければならない.

3.理事会の議長は、理事長とする.

(理事会の定足数)

第 24 条 理事会は、理事現在数の 3 分の 2 以上の者の出席がなければ、その議事を開き議決することができない.ただし、当該議事につき書面または電磁的方法をもってあらかじめ意思を表示した者は、理事会成立のための出席者とみなす.

2.理事会の議事は、この会則に別段の定めがある場合を除き、出席理事の過半数をもって決し、可否同数のときは議長の決するところによる.

3. 理事長が必要と認めた場合は、書面または電磁的方法によって理事の意見を求め、理事の 3 分の2以上の賛成があった事項については理事会決定とすることが できる.

(評議員会の招集等)

第 25 条 評議員会は、毎年 1 回総会開催時に理事長がこれを招集する.ただし、理事長が必要と認めたときは、理事会の議を経て、臨時評議員会を招集することができる.

2.評議員現在数の 5 分の 1 以上から、会議に付議すべき事項を示して評議員会の招集を請求されたときは、その請求があった日から 30 日以内に臨時評議員会を招集しなければならない.

3.評議員会の議長は、年会長とする.

(評議員会の定足数)

第 26 条 評議員会は、評議員現在数の 3 分の 1 以上の者の出席がなければ、その議事を開き議決することができない.ただし、当該議事につき、書面または電磁的方法をもってあらかじめ意思を表示した者は、評議員会成立のための出席者とみなす.

2.評議員会は、理事長の諮問に応じて本会の運営に関して審議する.

3.評議員会の議事は、この会則に別段の定めがある場合を除くほか、出席評議員の過半数をもって決し、可否同数のときは議長の決するところによる.

4.理事長が必要と認めた場合は、書面または電磁的方法によって評議員の意見を求め、評議員の 3 分の2以上の賛成があった事項については評議員会決定とすることができる.

(評議員会の議決事項)

第 27 条 評議員会は、この会則に定めるもののほか次の事項について議決する.

(1) 事業計画及び収支予算に関する事項

(2) 事業報告及び収支決算に関する事項

(3) 財産目録及び貸借対照表に関する事項

(4) その他、理事会において必要と認めた本会の業務に関する重要事項

(総会の構成)

第 28 条 総会は、第 6 条第 1 号の正会員をもってこれを組織する.

(総会の招集)

第 29 条 総会は、毎年 1 回理事長がこれを招集する.

2.臨時総会は、理事長が必要と認めたとき、理事長がこれを招集する.

3.前項のほか、正会員の現在数の 5 分の 1 以上から、会議に付議すべき事項を示して総会の招集を請求されたときは、理事長はその請求があった日から 45 日以内に臨時総会を招集しなければならない.

4.総会の招集は、少なくとも 10 日以前に、その会議に付議すべき事項、日時及び場所を記載した書面または電磁的方法による公示をもってこれを通知する.

(総会の議長)

第 30 条 総会の議長は、年会長とする.

(総会の報告事項)

第 31 条 総会は、この会則に定めるもののほか次の事項について報告する.

(1) 事業計画及び収支予算に関する事項

(2) 事業報告及び収支決算に関する事項

(3) 財産目録及び貸借対照表に関する事項

(4) その他、理事会及び評議員会において必要と認めた本会の業務に関する重要事項

(会員への通知)

第 32 条 評議員会における議事の要約及び議決した事項は、本会のホームページにこれを掲載し、全会員に通知する.

(議事録)

第 33 条 すべての会議には、議事録を作成し、理事・監事の確認を経て事務局にてこれを保存する.

第 7 章 学術集会

(学術集会)

第 34 条 本会は、毎年 1 回総会開催地において学術集会を開催する.

(年会長)

第 35 条 本会に、学術集会を主宰する会長(年会長)を置く.

2.年会長は、正会員の中から理事会においてこれを推薦し、評議員会において選任する.

3.年会長の任期は 1 年とする.

4.年会長は、理事会に出席することができる.

第 8 章 委員会

(委員会)

第 36 条 理事長は、本会の会務の運営のため、常置委員会を設置する.

2.常置委員会として、編集委員会、総務委員会、広報委員会、倫理・COI 委員会、専門医委員会、学術賞選考委員会、国際委員会、運営委員会を置く.

3.委員会に関する規定は、別に定める.

4.委員会の委員長は、理事長が委嘱する.委員会の委員長は理事会に出席することができる.

5.必要に応じて特別委員会を置くことができる.

第 9 章 資産及び会計

(会 計)

第 37 条 本会の会計年度は、毎年 4 月1日より始まり翌年 3 月 31 日に終わる.

2.本会の運営は、会費及び特別寄付金等によって賄われる.

(監査及び資産管理)

第 38 条 各年度の収支は、監事の監査及び評議員会の承認を経て会員に報告される.

2. 監事は資産についてこれを精査し、今後の活動を保証するために適切な管理を行う.

第 10 章 会則の変更及び解散

(会則の変更)

第 39 条 本会則は、理事現在数の 3 分の 2 以上、評議員現在数の 3 分の 1 以上及び正会員現在数の 15 分の 1 以上の承認を受けなければ変更できない.

(解 散)

第 40 条 本会の解散は、理事現在数及び正会員現在数の各々 の 4 分の 3 以上の賛同を得なければならない.

(残余財産の処分)

第 41 条 本会の解散に伴う残余財産は、理事現在数、評議員現在数及び正会員現在数の各々の 4 分の 3 以上の議決を経て、本会の目的に類似の目的を有する学術団体に寄付するものとする.

第 11 章 補 則

(細 則)

第 42 条 本会則の施行の細則は、理事会、評議員会の議決を経て、別に定める.

付 則

1.本会則は平成 28 年 4 月 1 日から施行する.

【付録 3】会則施行細則

第1章 名誉会員・功労会員の推薦

第 1 条 評議員は、次の各項のいずれかに該当し、かつ別に規定する要件を満たす者を名誉会員として、理事長に推薦することができる.

(1)学術上特に顕著な功績があった者


(2)本会の進歩発展に寄与し、本会の運営について多大の貢献があった者
第 2 条 理事長は、理事会及び評議員会に諮り、その承認を得て、名誉会員に推薦された者に名誉会員の称号を贈ることができる.


第 3 条 評議員は、次の項に該当し、かつ別に規定する要件を満たす者を功労会員として、理事長に推薦することができる.

(1)本会に対し長年貢献があったと認められる者

第 4 条 理事長は、理事会及び評議員会に諮り、その承認を得て、功労会員に推薦された者に功労会員の称号を贈ることができる.

第 2 章 会 費

第 5 条 会費は、毎年年度末までに納入するものとする.

2.会員の会費は次のように定める.

(1)正会員は年額 7,000 円とする.ただし、評議員である正会員は 12,000 円、理事・監事である正会員は年額 15,000 円とする

(2)賛助会員は年額一口 20,000 円とする

(3)維持施設会員は年額一口 30,000 円とする

(4)学生会員は年額 3,500 円とする

第 3 章 役員の選任

第 6 条 理事・監事は、選挙を行う年度初めの日をもって満 70 歳未満のものとする.

2.評議員の中から評議員の投票により、得票上位者からその相当数を選任する.

3.理事長は理事会の議を経て、評議員の中から専門領域・ 地域等を考慮して理事長指名理事を若干名委嘱することができる.

第 7 条 監事は、評議員の中から評議員の投票によりこれを選任する.

第 8条 役員の任期は定期総会を開催する学術集会の終了日の翌日から 4年後の定期総会を開催する学術集会の終了日までとする.ただし学会設立初年度に当選した理事は理事長指名によりうち半数を 2 年の任期とし、以 降 2 年ごとに半数改選を行う.

第 9 条 理事長は、役員選任のための投票に当たって、評議員の中から 2 名以上の開票立会人を指名する.開票立会人は開票に関する事務を行う.

第 10 条 次の投票はこれを無効とする.

(1)所定の投票用紙を用いないもの

(2)記載した氏名を確認できないもの

(3)氏名が重複して記入されている場合.ただし、この場合 1 票だけは有効とする

(4)投票に関して、所定の事項(告知事項)を守らないもの

第 11 条 複数の得票同数者のうち、 1 名のみを当選者としなければならないときは年長者とする.

第 12 条 投票の管理、執行は、選挙管理委員会が行う.

2.選挙管理委員会の委員は正会員の中から理事長が委嘱した 8 名以内の者をもって構成する.委員長は理事会においてこれを選任する.

3.委員長は、開票の結果を理事長に報告する.

第 4 章 評議員の選考

第 13 条 評議員及び名誉会員は、正会員の中から評議員候補者を推薦することができる.

第 14 条 評議員候補者の推薦に当たっては、所定の用紙に候補者の略歴、推薦理由及び業績等を記入し、業績目録に記載した原著論文のうち 3 編について別刷各 2 部を添えて、理事長に提出するものとする.

第 15 条 評議員候補者は次の条件を満たしている者とする.

(1)6 年制大学卒業者にあっては満 5 年以上、 4 年制大学卒業者にあっては満 6 年以上、アルコール・ニコチン・薬物及びその他の依存に関する研究に従事している者

(2)前項にかかわらず、本会の目的に沿って顕著な業績のある正会員

第 16 条 業績目録には、次の事項を記載するものとする.

(1)アルコール・ニコチン・薬物及びその他の依存に関する主要原著論文 3 編.

(2)アルコール・ニコチン・薬物及びその他の依存に関する学会発表 3 回以上.

第 17 条 評議員の任期は、定期総会を開催する学術集会の終了日の翌日から 2年後の定期総会を開催する学術集会の終了日までとする.

第 5 章 年会長

第 18 条 年会長は、理事長が年会長予定者を推挙し、理事会及び評議員会の議を経てこれを定める.

第 19 条 年会長予定者は前年度の学術集会の終了日の翌日より年会長となり、その任期は主宰する学術集会の終了日までとする.

第 6 章 顧問

第 20 条 理事長は、前理事長を顧問とし、前理事長の役職退職から 2 年間に限り理事会に招聘し、意見を求めることができる.

第 21 条 顧問は、いかなる会議においても議決権は有しない.

付 則
1.この細則は平成 28 年 4 月 1 日から施行する.
2.この細則を改正する場合には、理事会及び評議員会の承認を経なければならない.