4-2号 (2015年12月)

1. アルコール、薬物およびニコチン依存と関連学会の合併

鈴木 勉
(星薬科大学 薬物依存研究室)

私は昭和 45 年に当時星薬科大学薬理学教室教授であった故柳浦才三先生の下で、大学祭(薬祭)において学術発表を行うために研究を行いました。これが、イヌを用いたフェノバルビタールの身体依存に関する研究であり、休薬時の痙攣を観察して衝撃を受けました。このことが、生涯薬物依存の研究に従事する強い動機となりました。

また、大学院修士課程まで薬物依存の研究を行い、その後日本ロシュ株式会社研究所に就職しました。その際、お世話になったのが、柳浦才三先生の東京医大でのご友人で、後に世界保健機関(WHO) の第4代事務局長になられた中嶋宏先生でした。さらに、当時薬物依存の研究は小動物を用いる研究が慶應義塾大学医学部薬理学教室教授故細谷英吉先生、一方サルを用いる薬物自己投与法は当時実験動物中央研究所附属前臨床医学研究所所長柳田知司先生が精力的に行っておられました。

そこで、再び大学院博士課程に戻り、小動物を用いた中枢抑制薬や精神依存の評価法に関する研究を行い、引き続き大学で教員としてこれらの仕事を継続することができました。

この頃から、日本アルコール医学会に入会しましたが、臨床における依存等の情報を入手できる貴重な学会でありました。本学会がアルコールのみならず、薬物依存の研究も対象とすることが明示され、学会運営にも関わるようになりました。

日本アルコール・薬物医学会の理事を3期務めさせて頂き、2009-2011 年は理事長を務めさせて頂きました。この間、WHO のアルコール規制問題、3 学会合同飲酒運転対策プロジェクト、飲酒と自殺などの問題に取り組ませて頂きました。最近、私は WHO 薬物依存専門委員会のためジュネーブに行ってきました(平成 27 年 11 月 13 日から 23 日)。本委員会は 10名程度の委員で構成さており、アジアから私を含め3名の委員が出ています。

次々と合成される依存性薬物を種々検討し、麻薬に関する単一条約および向精神薬に関する条約で規制すべきか否かを検討し、国連麻薬委員会に勧告するのが本委員会の代表的な役割です。

私は 2002 年から1期 4 年、現在 4 期目を務めておりますが、私の前任が柳田知司先生、その前任が細谷英吉先生でした。今回の合併で、本学会はわが国で「依存」を会名に持つ唯一の学会となったので、国民に、そして世界にも研究成果をアピールできるような活動をして頂きたいと念願しています。

2. 統合委員会より~統合の準備状況~

宮田久嗣
(東京慈恵会医科大学 精神医学講座)

新学会「日本アルコール・アディクション医学会」へのロード・マップ

日本依存神経精神科学会は、平成 28 年 4 月 1 日をもって日本アルコール薬物医学会と統合され、新たな学会「日本アルコール・アディクション医学会(Japanese Medical Society of Alcohol and Addiction Studies:JMSAAS)」となります。このため、両学会の理事長である齋藤利和先生を中心に、日本依存神経精神科学会からは廣中直行先生、池田和隆先生、宮田久嗣の 3 名が、日本アルコール薬物医学会からは大熊誠太郎先生、藤宮龍也先生、白石光一先生、松下幸生先生の 4 名が統合委員会委員として選出され、平成 26 年 5 月から約 2 年半かけて準備をしてきました。具体的には、新学会の会則と細則の作成、役員(理事長、理事、監事)の選出方法、財務関係の調整、事務局機能のあり方などの検討を進めてきました。これまで統合のために決定した事項は、その都度、理事会・評議員会・総会で報告したり、ニューズレターで紹介したりしてきました。

今回は、平成 28 年 4 月 1 日の統合まで半年を切ったことから、統合に向けてのロード・マップを紹介させていただきます。ロード・マップの全体図は表 1 に示した通りですが、ここでは、「新学会での役員(理事、監事)の選出方法」と「事務局機能の分担について」の二点を説明させていただきます。

表1. 統合へのロード・マップ

1.新学会での役員(理事、監事)の選出方法

新学会の役員(理事、監事)の選出法は、日本アルコール薬物医学会の方法に準じることとしました。その理由は、日本アルコール薬物医学会は、多様な領域の会員から構成されるため、 理事についてもそれぞれの領域(精神医学、法医学、内科学、薬理学、衛生・公衆衛生学、その他(病理学、心理学、看護学など))ごとに定員を定めて選出するという、他に例のない方法を採用しているためです。このため、本年 7 月には、新学会移行時の会員継続の意思確認のアンケートをさせていただきまし たが、このときに、所属する領域の調査も行いました。これを受けて、平成 27 年 10 月に開催された統合委員会で役員選出法の細部が確認・決定されました。

  1. 1)新学会での理事の定員は 20 とする。内訳は、精神医学 6、 法医学 3、内科学 4、薬理学 3、衛生・公衆衛生学 2、その他 2 とする。そして、両学会の評議員が被選挙権(候補者となる権利)と選挙権(投票者となる権利)を持つ。
  2. 2)このうち、10 名は二学会の統合の作業の継続性のために、各種委員会の責任者が選出される。具体的には、理事長の齋藤利和先生、総務委員会・委員長の藤宮龍也先生、財務担当・委員長の廣中直行先生、編集委員会・委員長の大熊 誠太郎先生、広報委員会・委員長の池田和隆先生、倫理・ COI 委員会・委員長の白石光一先生、専門医委員会・委員長の樋口 進先生、学術賞選考委員会・委員長の宮田久嗣、国際委員会・委員長の高田孝二先生、統合委員会委員の松下幸生先生である。ただし、これらの委員は選挙を経ないで理事に選出されることから任期は 2 年間とする(通常は 4 年間)。
  3. 3)したがって、選挙で選出されるのは、残る 10 名の理事と監事 2 名である。
  4. 4)選挙管理委員会・委員長を宮田久嗣として、選挙の準備を平成 27 年 12 月までに行い、選挙を平成 28 年 1 月から 2 月に行う。
  5. 5)平成 28 年 3 月には、新役員(理事 20 名、監事 2 名)が決定する。これを受けて、4 月に新学会が発足し、理事会を開催して理事長を選出する。理事長は必要に応じて理事長指名理事を 3 名まで指名することができる。
  6. 6)新学会では、2年ごとに10名の理事を選出する選挙を行う。

2.事務局機能の分担

現在の事務局(日本依存神経精神科学会と日本アルコール薬 物医学会)は、表 2 のような機能分担をして、新学会を支えていくことになりました。

従来の精神作用物質に加えて、行動のアディクションも疾病概念に包含されました。これにともない、より多くの領域の研究者や治療者が学会に加わり、多様な観点から議論し、治療ガイドラインなども作成していくことが新しい学会の使命となります。また、将来のアディクション領域を担う若手の先生方を育成していくことも重要な責務です。このような役割を果たしていくためには、多くの先生方の積極的な協力とご支援が何よりも大切です。何卒宜しくお願い申し上げます。

表2. 事務局機能の分担

3. 2016 年度年会のご案内

第 51 回日本アルコール・アディクション医学会
会長 高田孝二
(帝京大学 文学部)

第 51 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会を、2016 年 10 月 7 日(金)と 8 日(土)の2日間にわたり、タワーホール船堀(東京都江戸川区)にて開催させていただくこととなりました。

本学会は、50 年の歴史を有する日本アルコール・薬物医学会と、20 年の歴史を有する日本依存神経精神科学会との合併により、2016 年に誕生するものです。近年、依存の問題が、アルコールを含めた精神作用物質のみならず、ギャンブルやインターネットゲームなど、いわゆる addictive behaviors(嗜癖行動;行動のアディクション)にも広がりつつあり、社会的にも大きな問題となっています。本学会は、その名称の示す通り、日本のアルコール・薬物・嗜癖行動関連問題研究の中心を担うものといえます。

今回は、新学会として初めての学術総会となります(*)。それを主宰させていただくことは身に余る光栄であり、なんとかこの大役を果たし、次回につなげられるよう、精一杯努力する所存です。初回の学術総会のメインテーマは、本学会が、精神医学、内科学、法医学、薬理学、病理学、衛生学、公衆衛生学、心理学、行動医学、依存臨床の最前線の方々など、非常に幅広い領域の方々で構成されているという点を生かしうる共通の問題として、「アディクション・サイエンス~ハーム・リダクションの観点から~」とさせていただきました。これは、物質関連、非物質関連のいずれも、精神面の依存を中核症状として、身体面、精神面、社会面での多様な障害を引き起こしていることから、様々な角度から「ハーム・リダクション」(有害事象の低減)を可能にする方略を検討することが急務であると考えられたことによります。

アルコールについては、依然として医学的にも社会的にも大きな問題であり、平成 25 年に成立したアルコール健康障害対策基本法に則った有害事象の低減や、合併症としてのうつ病や自殺対策はどうあるべきかなど、議論はつきません。またタバコは、ニコチンそのものよりはその「溶媒」(煙)の健康への問題が言われて久しく、様々な方法で有害物質の低減が図られています。一方で、これら嗜好品が心身の健康や予防医学に貢献している面も無視できません。また、われわれの生活は、負の帰結の可能性覚悟での行動(広義のギャンブル)なしには成立しない面もあります。今回は、このような背景の中での有害事象の低減のありかたを探りたいと考えております。

会場である船堀は、荒川沿いの下町情緒あふれる地域であり、浅草、両国、向島など由緒ある場所と、東京スカイツリー、東京ディズニーランド、お台場など近代的名所にも隣接しております。ぜひ多くの皆様にご参加いただき、これら周辺地域も楽しみつつ、よい議論を重ねていただければと願う次第です。

本総会では、明日の臨床や研究に役立つ魅力的な講演やシンポジウムも数多く企画しております。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

*開催番号の「第 51 回」は、歴史の長い日本アルコール・薬物医学会のものを継承しております。また、このたびリーフレットも同封しております。ぜひご覧下さい。

4. 2015 年度年会を終えて

第 27 回日本依存神経精神科学会
会長 曽良 一郎
(神戸大学 精神医学分野)

第 27 回日本依存神経精神科学会が、本年 10 月 11 日(日) から 13 日(月)にかけて神戸国際会議場で、第 50 回日本アルコール・薬物医学会(会長 西口修平先生、兵庫医科大学 肝・胆・膵内科教授)と第 37 回日本アルコール関連問題学会(会長 堀井茂男先生、公益財団法人慈圭会慈圭病院院長)との合同で開催されました(平成 27 年度アルコール・薬物依存関連学会合同学術総会)。アルコール、薬物、行動のアディクションの治療や研究にかかわる多くの方々にご参加いただき、約 1,300 名の多数の参加者数となりました。関係者の方々の貴重な御支援の賜物と改めて感謝申し上げます。

学会プログラムの構成は、日本アルコール関連問題学会では(治療)現場指向の発表が多く、日本依存神経精神科学会と日本アルコール・薬物医学会では研究指向の発表が多いことから、休祭日にあたる会期の前半は主に日本アルコール関連問題学会、後半は日本依存神経精神科学会と日本アルコール・薬物医学会を中心とした日程を組みました。当学会の特別講演では国際的に著名なコペンハーゲン大学の Ulrik Gether 教授に「The dopamine transporter: a key player in psychostimulant addiction and dopaminergic pathologies」という演題で、中枢刺激薬の標的部位であるドーパミントランスポーターの分子機構の最新の知見について素晴らしいご講演をいただきました。三学会合同シンポジウムでは、「温故知新:アルコール研究 50 年の歩みと未来への展望」と題して、基礎医学、内科、精神科領域におけるアルコール診療の発展と将来の課題について活発な議論がなされました。


写真 2:三学会合同シンポジウム会場

教育講演は本邦の薬物依存研究の重鎮の先生方から日本依存神経精神科学会として三つ(高田孝二先生:タバコ依存とニコチン、鈴木勉先生:がん疼痛治療とオピオイド鎮痛薬の依存、鍋島俊隆先生:薬物依存と脳科学研究)のご講演をいただきました。また、日本アルコール・薬物医学会と合同でシンポジウム17(スポンサードシンポジム含む)を開催し、日本アルコール関連問題学会が中心となりワークショップ 7、分科会 10 が開催されました。さらに、一般演題は日本アルコール・薬物医学会と日本依存神経精神科学会との合同としてすべて口演発表(94 演題)、日本アルコール関連問題学会はすべてポスター発表(72 演題)として報告されました。一般演題の合計 166 題が各会場で活発に議論が行われましたが、口演発表のセッションの中には、定員を超える参加者の方々には臨時席の増設でも間に合わず、会場への入場ができないという事態が生じたことを申し訳なく思っております。


写真 3:口演会場

今大会のテーマは「温故知新:アルコール研究 50 年の歩みと未来への展望」でしたが、演題はアルコールに加えて、中枢刺激薬、麻薬、大麻、ニコチン、危険ドラッグから非物質依存まで幅広いテーマが取り上げられました。薬物依存の病態機序を分子遺伝学、脳機能画像の手法等を用いた最新の研究成果について多様な角度から議論が展開されました。危険ドラッグやアルコールへの対策が変わりつつあることも紹介され、DSM-5 での物質使用障害に関する変更など、診療や研究に役立つ報告がなされたと思われます。学術賞受賞講演では、柳田賞を受賞された名古屋大学の永井 拓先生から薬物依存症の克服を目指してドーパミン神経伝達を中心に分子基盤的な最先端の研究成果を発表いただきました。CPDD(The College on Problems of Drug Dependence)奨励賞は、今回は該当者はありませんでした。

懇親会は、神戸国際会議場に隣接するポートピアホテルの宴会場で開催されました。ここでも、主催者の予想を上回る 200 名と数多くの方達にご参加いただき、盛況な懇親会であったことを感謝申し上げます。本合同年会開催にあたり、学会事務局の不行き届きによりご不便、ご迷惑をおかけした点も多々あるとは存じますが、関係者の方々のご協力のおかげで成功裡に終えることができました。この場をお借りし重ねて厚く御礼申し上げます。


写真 4:右から西口修平会長、堀井茂男会長、曽良一郎会長

来年度の本学会は高田孝二先生(帝京大学文学部心理学科教授)を会長に、第 51 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会として 10 月 7 日(金)から 8 日(土)にタワーホール船堀にて開催されます。日本アルコール・薬物医学会と日本依存神経精神科学会が統合された初めての年会となりますので、皆様のご参加をお願い申し上げます。

5. 評議員会・総会議事録

総務委員長 宮田久嗣
(東京慈恵会医科大学 精神医学講座)

平成 27 年度 日本依存神経精神科学会 評議員会・総会が 2015(平成 27)年 10 月 13 日に神戸国際会議場にて開催されました。議事録の内容を以下にお示しいたします。

日 時:2015 年 10 月 13 日(火)11:10~11:45
会 場:神戸国際会議場 4 階 402

曽良会長より、開会宣言がされました。会則により議長は会長が務めました。

議 題

1.年会長挨拶(曽良年会長)

曽良年会長が、今回の学会の参加者は予想を上回り最終的には 1200 名になりそうだとの報告がありました。今日もあと半日開催されているので大いに討議し、学ぶ場としてほしいとの発言がありました。

2.会務報告(宮田総務委員長)【資料 1】

宮田総務委員長が、現状の会員数、企業賛助会員、今年度開催の会議について報告しました。

3.2014 年度決算報告(廣中財務委員長)【資料 2】

廣中理事が、資料に基づき、下記の 2014 年度決算報告しました。

  • 1)決算書
  • 2)貸借対照表・財産目録

以上について、理事会に続き、評議員会・総会でも承認となりました。

4.2014 年度監査報告【資料 2】

高田監事が、堀井監事とともに決算に関する資料一式を査収した結果、問題なかったと監査の報告をしました。

5.2015 年度予算案審議【資料 3】

廣中理事が 2015 年度予算案を説明した。齋藤理事長が、今年すでに実施したシドニーでのアジア環太平洋アルコール・アディクション学会(APSAAR 2015)で 200 万円の赤字が出たため、齋藤理事長を含む有志で 50 万円を出し合いいったん当学会の口座へ入金のうえ、APSAAR2015 へ送金予定であると説明しました。こちらについても、理事会に続き評議員会・総会でも承認となりました。

6.賞選考委員会より柳田賞、各種奨励賞について(齋藤理事長)

樋口賞選考委員長が不在のため、齋藤理事長が本年の CPDD 賞は1名の応募があったが申込み時期が遅かったため CPDD側に 受理されなかったと説明しました。また第 5 回となる柳田知司賞は、名古屋大学大学院の永井拓先生が受賞され、このあと受賞講演が行われる予定であると発言しました。

7.日本アルコール・薬物医学会との統合の件(宮田、廣中統合委員会委員)

宮田・統合委員が統合検討委員会にて話し合われ、その後理事会で承認された、日本アルコール・薬物医学会との統合の件で

  • ①役員選挙
  • ②財務
  • ③事務局機能

について説明し、承認されました。

8.各委員会からの報告(各委員長)

池田広報・編集委員長が、ニューズレターの発刊予定を説明しました。当学会としては今年の 12 月号が最終号となりますが、合併後の新学会においても年に 2 回発刊していく予定であり、会員のみなさまからのご寄稿・ご執筆をお願いしたいとの発言がありました。

9.次期年会長挨拶(高田次期会長)

高田次期会長が、合併後第 1 回目となる、第 51 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会について概要を説明した。
会期:2016 年 10 月 7 日(金)~10 月 8 日(土)
会場:タワーホール船堀
テーマ:アディクション・サイエンス~ハーム・リダクションの観点から~

10.次々期年会長について

齋藤理事長が、2017 年と 2018 年の年会長について以下のとお り報告しました。 2017 年 慶應義塾大学医学部 衛生学公衆衛生学 岡村智教教授 2018 年三重大学大学院医学系研究科 病態制御医学講座消化器内科学 竹井謙之教授 2018 年は国際学会の ISBRA との共同開催になる予定との説明がなされました。

11.その他

猪野理事が、アルコール基本法の件で、日本国内のアルコール関係の研究費等はあまりにも小額であり、従事する研究者や現場でも無理が続く現状があるため、今後合併後の執行部で検討し、国に対し学会から要望書を出してほしい旨希望を述べました。

齋藤理事長が、日本のアルコール関連の研究費等は、米国の 1000 分の 1 以下であり、飲酒税のわずか 1%でも研究費に回してもらえればと思うと意見を述べつつ、理事長として理事会に諮問しながら責任を持って要望書等の発信を行っていくと回答しました。

6. 統合前企画~事務局紹介~

二本松 美穂
(日本アルコール・薬物医学会事務局)

日本アルコール・薬物医学会は,全国のアルコール研究者の意見交換の場として昭和 40(1965)年 11 月 3 日に設立され,昭 和 41(1966)年 5 月に第 1 回総会が開催されました。設立時の名称は「日本アルコール医学会」でした。現在の「日本アルコール・薬物医学会」に変更されたのは,平成 8(1996)年です。今年 50 回目の総会を終え,来年 4 月には「日本依存神経精神科学会」と合併し,「日本アルコール・アディクション医学会」に変わります。

設立当時の趣意書に「近時,わが国の飲酒状況を顧みると,飲酒量の増加のみならず,濃度の高いアルコール飲料の使用量が飛躍的に上昇し,飲酒の年令的階層の変動或いは女性飲酒者の増加が著明となりつゝある。その影響は,交通事故,労働力,精神衛生及び母児衛生等の多方面に反映されつゝあり,これらの対策を考慮しなければならない」とあり,アルコールに関しての問題は,当時から現在まで変わらず続いていることを実感します。また,「諸外国のアルコール研究学会との交流を旺んにすることを目的とし,(中略)所属する研究領域の如何を越え,縦横の連携を緊密にし,人類の福祉に貢献する」ともあり,アルコール以外の緒問題に関しての論文・学会発表が増えていること,心理,看護,社会福祉など多方面の方々が多く入会してくださっていることに通じていると思います。

私は,長く学会誌の編集をしておりましたが,平成 23(2011) 年より,事務局業務も担当するようになりました。合併後は,学会誌の編集およびホームページ管理などを担当することになっています。会員の皆様には,多くの論文をご投稿いただきますよう,よろしくお願いいたします。

鈴木 めぐみ
(日本依存神経精神科学会事務局)

このたびは弊社、株式会社毎日学術フォーラムに新学会日本アルコール・アディクション医学会様の事務局委託をご依頼いただき、まことにありがとうございます。

弊社は、学会事務局の専門企業として、株式会社マイナビの関連会社として 2006 年 11 月に設立されました。立ち上げ当初の委託学会・団体数は16あまりでしたが、現在は65団体を数えており、年々顧客数を増やしております。そのほとんどが先生方のご紹介による委託であり、日ごろのご愛顧に大変感謝しております。

現在日本依存神経精神科学会を担当いたしております鈴木は、ニコチン・薬物依存研究フォーラムのときから数えて約 8 年お世話になっております。前職が出版社の編集者であったことから、こちらのニューズレターの編集もお手伝いさせていただき、新学会でも引き続きニューズレターの編集業務、庶務業務をお手伝いさせていただく予定です。会員業務については、弊社会員課が担当させていただきます。入退会・変更・会費の入金等でご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

7. 第5回柳田知司賞を受賞して

永井 拓
(名古屋大学大学院医学系研究科医療薬学・附属病院薬剤部)

この度は、日本依存神経精神科学会 第 5 回柳田知司賞の栄に浴し、身に余る光栄に存じます。これもひとえに恩師の鍋島俊隆先生(名城大学)、山田清文先生(名古屋大学)、学生時代の先輩、後輩の方々、苦楽を共にした学生の皆様、ならびに本学会の関係者の方々のご支援、ご指導、ご鞭撻の賜物であると深く感謝申し上げます。

私は大学院時代より薬物依存症の克服を目指してドパミン神経伝達を中心に分子基盤的な研究に取組んで参りました。紙面を拝借して、これまでの研究成果をご紹介します。私が薬物依存研究に従事することになった経緯は、鍋島俊隆先生が主任研究を務められた文部科学省科学技術振興調整費目標達成型脳科学研究「依存性薬物により誘発される精神障害の機構の解明の研究」のプロジェクトに参加したのが始まりでした。

本研究では、中枢興奮作用を有するメタンフェタミンと中枢抑制作用を有するモルヒネの共通する分子機構を明らかにするため、DNA アレイを用いてメタンフェタミンおよびモルヒネ連続投与後のラット脳内遺伝子発現のプロファイリングを実施しました。

その結果、両薬物で発現増加する遺伝子として組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)を同定することができました。tPA は分泌型セリンプロテアーゼであり、血液線溶系で重要な役割を果たしている分子であることはよく知られていましたが、中枢神経系での役割についてはよく分かっていませんでした。

そのためドパミン神経伝達と tPA に関する研究を行い、tPA がドパミン D1受容体を介したプロテインキナーゼ Aの活性化により放出され、中脳辺縁系ドパミン作動性神経系に作用して活動依存的なドパミン遊離に対して促進的に作用していることを見出しました(Nagai et al., PNAS, 2014; Ito et al., J. Neurochem., 2007; Nagai et al., J. Neurochem., 2005)。

その分子機序として、tPA がプラスミンを介してドパミン作動性神経終末に存在するプロテアーゼ活性化受容体(PAR1)を活性化し、ドパミン遊離を促進することを詳細に示しました(Nagai et al., J. Neurosci., 2006; Ito et al., J. Neurochem., 2007)。

さらに、tPA/プラスミン/PAR1 シグナルは、ドパミン作動性神経系に依存した行動の発現に重要な役割を果たしていることを明らかにしました(Nagai et al., J. Neurosci., 2006)。その後、山田清文先生の研究室で依存性薬物による認知機能障害に関する研究に従事し、低用量のメタンフェタミンをマウスに反復投与し、メタンフェタミン休薬後も長期間にわたり記憶障害を呈するモデルを作製しました(Kamei et al., Biol. Psychiatry, 2006)。

記憶の長期固定には脳の前頭前皮質におけるドパミン D1 受 容体の刺激と下流に存在する ERK1/2 の活性化を介した新規タンパク合成が重要であることを示しました(Nagai et al., Neuroreport, 2006; Nagai et al., Learn. Mem., 2007)。

また、メタンフェタミン誘発性記憶障害はドパミン D1 受容体 /ERK1/2 の機能不全が関与していること見出しました(Kamei et al., Biol. Psychiatry, 2006)。その他にもメタンフェタミンやフェンシクリジンを連続投与したマウスに認められる記憶障害は、ブロナンセリン(AD-5423)、 アリピプラゾール、ZSET1446 またはリーリンの投与により改善されることを報告しています(Nagai et al., Neuroreport, 2003; Nagai et al., Psychopharmacology, 2007; Ito et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 2007; Ishii et al., Neurosci. Res., 2015)。

統合失調症などの精神疾患患者では精神刺激薬に対する感受性が増加することから、精神疾患関連遺伝子と依存性薬物反応性に関する研究にも着手しました。

精神疾患発症脆弱性遺伝子として同定されている Dysbindin および Disrupted-In-Schizophrenia 1(Disc1)が神経発達・機能の制御に重要な役割を果たしていることを明らかにし、これらの遺伝子変異マウスではメタンフェタミンに対する反応性に異常が認められることを報告しました( Nagai et al., Neurosci. Lett., 2010; Kuroda et al., Hum. Mol. Genet. 2011; Nakai et al., Neurochem. Int., 2014)。

近年では、文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムに参加する機会を得て、ドパミン受容体の下流シグナルをリン酸化プロテオミクスにより同定し、コカインの報酬効果を制御する分子基盤について明らかにしつつあります。

柳田知司賞はニコチン、アルコールおよび薬物依存関連研究の発展に大きく貢献し、次世代を担う研究者に与えられる本学会最高賞とされています。これまで薬物依存研究を継続してこられたのは、皆様のお力添えがあって成し得えることができたと認識しております。今回の受賞を契機に依存研究を推進して世界のトップレベルを目指すとともに、後進の育成にも尽力して参ります。今後とも宜しくお願い申し上げます。

8. 学会印象記:CPDD2015、APSAAR2015

●CPDD2015●


写真:会場近くにて
舩田正彦
(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター)

日差しは非常に強い。気温は、40℃を超えたであろうか? 2015 年、6 月 13~18 日にかけて米国、アリゾナ州で開催された 77th Annual Meeting – College on Problems of Drug Dependence (CPDD)に参加した。本会議は、薬物依存の諸問題を研究のメインテーマとした米国内の学会である。薬物依存に関する問題を中心とした学術会議の数は限定されるため、世界各国の研究者が集い国際会議の色合いが濃い。

今回の会議では、オキシコドンなどのオピオイド鎮痛薬乱用の問題が最大の関心事であった。国立薬物乱用研究所(NIDA)からの報告では、オピオイド鎮痛薬乱用経験人者の数は、1500 万 人を上回ると推計されており、乱用の拡大が深刻な問題であることが指摘されていた。オピオイド鎮痛薬においては、医療従事者の適正使用はもとより、違法に売買されるケースが多い事から流通管理体制の強化も必要になっている。わが国でも、同様な問題が起きないようにオピオイド鎮痛薬に対する正しい理解が必要である。また、最近登場してきた電子タバコに関する研究発表も目立った。若年層を対象とした研究では、ニコチンを含まない製品であっても電子タバコの使用を経験することで、タバコ使用に移行する割合が増加する傾向があるという。またニコチンを含まない製品と称して、ニコチン含有製品も流通しており、その安全性の確立が急務であるという。わが国でも、電子タバコの入手は可能であることから、その安全についての研究が必要になると考えられる。

2016 年は 6 月 11 日から 16 日、カリフォルニア州パームスプリングス、再び砂漠のど真ん中で開催される予定である。本会議は、薬物乱用・依存問題のまさに、最先端の情報収集の場であるとともに、海外の研究者との貴重な交流の場となる、多くの日本の先生方のご参集を期待したい。

●APSAAR2015①●


写真:シンポジウム後
伊藤 満
(独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センター)

平成 27 年 8 月 18 日から 21 日まで、シドニーで開催された APSAAR2015 に参加しました。出発時の日本は酷暑。一方、南半球のオーストラリアは冬真っただ中。コートを持たずに来てしまった私は、飛行機を降り立ったとたんに後悔することになりました。現地のユニクロでフリースでも買おうかと思ったものの、あまりの物価の高さにそれも断念(日本の倍ほどの価格なのです)。それでも、日が差している日中は日本の初春を思わせる陽気で、4 日間の学会を満喫することができました。

学会参加の 1 番の目的は、なんといっても研究発表することです。本学会理事長の齋藤利和先生と韓国の Dai-Jin Kim 先生に座長をしていただき、アルコール依存症のリスク要因としてのパーソナリティについて発表しました。いつものことながら慣れない英語での拙い発表でしたが、座長の先生や同じセッションで発表される先生方、共同演者の先生方のサポートをいただき、無事に終えることができました。国内外を問わず、著名な先生方とお話しするチャンスをいただき、さらには激励を頂戴できたことが、なによりの収穫であったと思います。

そしてもう 1 つの目的は、この分野の第一線で活躍される若手の先生方との親交を深めることです。学会期間中の大部分の時間を会場内で真面目に過ごしておりましたが、セッションの合間を縫って、日本・タイ・台湾の先生と一緒にちょっとだけエクスカーションに行ってきました。みんなで訪れた動物園では、普段の真面目な表情と違って、コアラを抱いてデレデレしている先生方の意外な一面をみることができました。

冬の寒さが身に染みるところからスタートした APSAAR も、オン・オフともに充実した学会となりました。

●APSAAR2015②●

木戸 盛年(大阪商業大学 経済学部)

2015 年 8 月 18 日から 21 日の日程でオーストラリアのシドニーにて開催されました APSAAR(アジア太平洋アルコール嗜癖学会)に、参加させていただきました。APSAAR に参加させていただくのは今回が初めてだったのですが、国際学会での発表でオーストラリアに行くのは私自身「3 度目」でした。APSAAR は、依存症問題や嗜癖問題に関わる臨床や研究の国際的な専門家が集まる学会で、発表内容は基礎研究から臨床研究まで幅広く、いずれの発表も世界の最新の情報を伝える素晴らしいものでした。その中で私が興味深く聞かせていただいた発表が、Prof. Potenza の「Gambling and Online Addiction」でした(写真 1)。この Public lecture では「Gambling Disorder」と「Problematic Internet Use」についてこれまでの研究で得られた知見が分かりやすく述べられており、今後の研究の方向性について理解を深めることができました。

私は「Substance Use and Relaxation」というシンポジウムで、「Casino in Japan, to do or not to do ?」というタイトルの発表をさせていただきました(写真 2)。本発表では、日本のギャンブル産業の現状と問題について述べるとともに、現在日本で進められているカジノの誘致に対して、どのようにして治療や予防の対策をしていくべきか、海外でされている対策も紹介しながら発表させていただきました。今回の発表は、私自身まさに「3 度目の正直」と言えるほど有意義な内容となり、また、海外の研究者に向け日本のギャンブル障害を取り巻く現状の深刻さを伝える、非常に重要な機会になったと自負しております。

今回の APSAAR への参加は、国内外の依存症や嗜癖の専門家との交流を深める非常に貴重な経験となりました。最後に、このような貴重な機会を提供していただいた、日本依存神経精神科学会の皆さまに深く感謝するとともに、今後もより一層お役に立てますよう研究活動に尽力していく所存です。


(写真 1)

(写真 2)

●APSAAR2015③●

長 徹二(三重県立こころの医療センター)

2015 年 8 月 18 日-21 日にシドニーで開催された APSAAR(アジア太平洋アルコール嗜癖学会)に参加させていただきました。向こうの冬は日本と比較してあまり寒くなく、とても過ごしやすい気候でした。学会会場から歩いて 10 分のところにオペラハウスがあり、ハーバーブリッジなど素晴らしい景色が広がっており、毎晩その周辺におきまして様々な交流をもつことができました。学会の内容は基礎から臨床まで幅広い範囲にもかかわらず、一つ一つの内容が深く、アジア太平洋にとどまらず、世界中からの報告で満ち溢れていました。個人的には、FASD の診断について、表情認識のできるコンピューターと臨床医の診断一致率を比較する調査などが興味深く感じました。

私は「Early Career Psychiatrists Symposium」という、比較的若者だけのスピーカーで構成されているシンポジウムにおいて、発表する機会をいただきました(写真 1;発表後の安堵感が表れている!?)。その内容は、被災地においてアルコール問題が増加していることに伴い、アルコール関連問題をもつ方々に対するスティグマが増えていくことを予防するべく、被災地の支援者に介入した調査に関するものでした。そして、その発表の際に、アジア各国に震災支援の感謝を伝えることもできました。

私は学会の目的は学問的な向上や研鑽だけでなく、広く交流もつことにあると考えております。3 日目のプログラムが当初「観光に出かけて下さいね!」と言わんばかりのプログラムでしたので、タイと台湾のシンポジウム演者と他の日本人参加者と一緒に、世界遺産のブルーマウンテンズに観光に出かけました(写真 2;左に写っている 3 つの岩がスリーシスターズと呼ばれる伝説のある岩らしいです)。学会場よりいい顔をしているというご指摘はご容赦くださいませ。だって、こっちの方が少しだけ、ほんの少しだけ楽しさが勝っていたのですから・・・。On も Off も国際交流ができたことは本当に素晴らしい体験となりました。これまで多くの交流を築いてこられた多くの日本の先輩方に感謝するとともに、私もその役割を担えるように尽力したいと考えています。


(写真 1)

(写真 2)

9. 賞選考委員会より

賞選考委員会委員長 樋口 進
(独立行政法人 国立病院機構久里浜医療センター)

会員の研究活動や海外での活躍を促進・支援するは本学会の大きな使命の一つです。特に、若手研究者の海外学会での発表や国際交流を促進するために、本学会は支援の枠組みを拡大してきています。しかし、このような情報が会員に周知されていないためか、学会が設定した各賞に対する応募が少ない状況に あります。

そこで、本ニューズレターにおいて、最近の受賞実績や、応募状況を改めてお知らせします。

柳田賞

柳田知司賞はニコチン、アルコール、薬物依存関連分野で独創的、飛躍的な業績をあげ、この領域における研究の発展に大きく貢献した会員に授与されます。2011 年に第 1 回の受賞者を輩出し、今年度となりました第 5 回は永井拓先生(名古屋大学 大学院医学系研究科医療薬学・附属病院薬剤部)が受賞されました。

本賞につきましては、日本アルコール・薬物医学会と合併したのちに誕生する日本アルコール・アディクション医学会においても、学会最高賞として位置づけることが理事会にて決定しております。

次年度も応募締め切りは、例年通り 7 月中旬となりますので、会員におかれましては、該当する候補者の推薦をどうぞよろしくお願いいたします。

国際学会参加奨励賞(若手研究者対象)

本学会では、CPDD (College on Problems of Drug Dependence) に参加する若手研究者への奨励賞も設けております。本賞につきましても、合併後も継続していくことが理事会にて決定しております。

応募を希望される方は、ホームページをご確認ください。募集要項をアップしております。今回の応募締め切りは 2016 年 1 月 5 日となっております。ご希望の方はご申請をよろしくお願いいたします。

10. 広報・編集委員会より

広報・編集委員会委員長 池田和隆
(公益財団法人 東京都医学総合研究所)

JSNP2016 ソウル大会と CINP2016 世界大会のご紹介

日本依存神経精神科学会は、日本神経精神薬理学会(JSNP)、アジア神経精神薬理学会(AsCNP)、国際神経精神薬理学会(CINP) と協力関係にあります。この度、第 46 回日本神経精神薬理学会 (JSNP)年会を、2016 年 7 月 2 日(土)、3 日(日)の 2 日間に、韓国ソウル市の国際会議場 (COEX)において開催させていただくこととなりました。本年会のメインテーマは「産学官連携と国際連携 (Public-private partnership & International alliance)」とさせていただきました。産学官が連携するとともに、他国の神経精神薬理学の専門家とも連携することによって、脳神経系の治療薬の研究・開発と適正使用に向けてより一層の進展を目指します。JSNP は設立当初より、基礎研究者と臨床家が連携して学会を運営しており、医療現場に還元できる成果を挙げてまいりました。また、CINP の日本の窓口としての役割を果たすとともに、AsCNP の設立・運営においても中心的な役割を果たしております。この度、第 30 回 CINP 世界大会が 2016 年 7月 3-5日に韓国ソウル市の COEXで開催されることに合わせ、上記の日程と会場で開催させていただくことになりました。以前日本で CINP 地区会議が開催された時に、韓国神経精神薬理学会 (KCNP)は年会を日本で同時開催いたしました。今回も同様に同時開催することで、JSNP 年会と CINP 大会の両者の成功を目指しております。CINP 大会では、CINP 非会員でも演題発表を行うことができます。

これまで、多くの中枢神経系用薬が開発され、多くの患者がその恩恵を受けてきました。しかしながら、十分な治療効果が得られない患者や副作用に苦しむ患者も多く、精神神経疾患はすべての疾患の中でも最も大きな社会的損失を生みだしています。多くの未充足の医療ニーズ (Unmet Medical Needs)に応えるために、中枢神経系用薬の作用機序の解明と新薬の開発のみならず、治療薬の適正使用が強く求められています。JSNP は、 CINP や AsCNP と連携し、中枢薬開発のイノベーションを推し進めております。本年会では、研究者、医療従事者、製薬企業関 係者、規制当局関係者等が一堂に会し、日頃それぞれで進めている活動を総合し、大きな発展を目指します。

本年会には、日本依存神経精神科学会が来年生まれ変わるアルコール・アディクション医学会として後援することが決まっております。アルコール・アディクション医学会会員(現在の日本依存神経精神科学会会員とアルコール・薬物医学会会員)は、JSNP 会員と同様に会員価格での JSNP2016 ソウル大会への参加登録と一般演題登録をしていただけます。本年会では、関連領域における日本の英知が集まり、さらに CINP の力を借りて神経精神薬理学の世界的リーダーの参加も得ることで、中枢神経系用薬に関係する広い分野での革新的な展開がなされるものと確信しております。

ソウルへは日本の多くの都市から直行便がございます。会場の COEX はソウル金浦空港から地下鉄 1 本で約 40 分ととても便利です。ぜひご参加、ご発表をご検討いただけますようよろしくお願い申し上げます。


※拡大版を後付に掲載しています

【AsCNP 2015 台北のご報告】

4 th Congress of Asian College of Neuropsychopharmacology、略称 AsCNP が 2015 年 11 月 20 日から 22 日に台湾の台北で行われました。AsCNP は、ACNP、ECNP に続くものとして 2008 年に広島大の山脇博士を President として発足した国際学会です。また、本学会広報・編集委員会委員長の池田理事が Secretary を勤めるなど、本学会との関係も大変深い学会です。

今回の台北での会は、世界精神医学会(World Psychiatric Assoc. International)、4th Asian Congress of Schizophrenia Researchとの合同で開催され、当学会としてはスポンサードシンポを企画いたしました。

一般演題では、当学会監事である高田孝二先生が、AsCNP2015 Excellent Presentation Award をご受賞されました。詳細につきましては次号、日本アルコール・アディクション医学会となりました第 1 号のニューズレターにて、学会印象記等でお知らせいたします。

11. アル法関連最新情報

~アルコール健康障害対策基本法、その後 No.4~

((医)山下会 かすみがうらクリニック)
堀井 茂男
((財)慈圭会 慈圭病院)

8合目まで来た,基本法によるアルコール対策!研究のナショナル・センター設置も前進!!

Ⅰ アルコール健康障害対策基本法関係者会議の動き

基本法は動き始めてから5年、ようやく骨子案として具体化してきました。

学会員の多くが関係する骨子案の部分を下記に抜粋しますが、全文は内閣府の HP を御覧ください。
(http://www8.cao.go.jp/alcohol/kenko_shougai_kaigi/k11.html)

骨子案で辿り着いた地平として私が評価する点は次の3点です。

第一は「飲酒はリスクを伴うというコンセプトとアルコール依存症は誰でもなりえるというコンセプト」が加わったことです。

社会の意識には「酒は百薬の長」「少しなら良いんだ」という一方では、「どうにもならん大酒飲み」「アル中」と蔑視する社会意識があります。

それらに対して、少量の飲酒でも運転時、機械の操作時、妊娠時などにはリスクが伴うこと、そして、誰でも多量飲酒を続けていると、脳にダメージが生じてアルコール依存症になるが、断酒によって回復可能であることを「啓発の基本」とした意義は大きいと考えます。

第二に、「地域の関係機関が連携してアルコール対策を進めていく」ことが明示されました。アルコールは多問題を生じるので、多機関・多職種の連携が不可欠です。特に一般医療機関とアルコール専門治療機関の連携は不可欠です。このことが国の方針となって取り組まれることになりました。一部の医師などがその必要を説いているのではなく、国の方針になった意義は大きいと思います。

第三に、「アルコール研究の中心となる司令部を作ること」が掲げられました。

アメリカでは 1970 年にヒューズ法(基本法)が成立し、この法に基づき NIAAA(国立アルコール乱用・依存症研究所)が設立され、NIAAA を中心にアメリカのアルコール研究は展開されています。

三重大学の竹井謙之教授は基本法制定のために日本肝臓学会、日本消化器病学会、日本内科学会を賛同団体に加わるように働きかけ、それを実現した大きな功績を有していますが、さらに、竹井謙之教授は第 7 回関係者会議(平成 27 年 8 月 28 日)において参考人として日米の研究システムの違いを「三重県熊野の大花火大会と自宅の線香花火」に例えて語り、日本版 NIAAA の設立と研究費の増額の必要性を強く訴えられました。米国の研究費は年間 570 億円、それに対して日本の研究費は1億円弱と具体的に指摘され、行政の皆様の心に大きく響いたと思っています。

関係者会議では、学会員の委員が久里浜医療センターを研究のナショナルセンターとするように主張して来ましたが、骨子案にあるようなレベルまでようやく到達しました。日本人はフラッシャータイプが多く、日本人特有のアルコールの影響が考えられ、また、非常に遅れた対策の現状にあることを踏まえて、基礎的研究から臨床研究、疫学研究まで統合された研究システムを立ち上げて研究の司令部としてナショナルセンターが機能することを目指したいと考えています。

日本版 NIAAA の設立と研究費の大幅な増額が実現するように、学会員はこの千載一遇のチャンスに「知恵と勇気」を絞って、奮起されることを願ってやみません。

Ⅱ 今後の課題

一方、残された大きな課題は次の点だと思っています。「SBIRT というコンセプトをどのように基本計画に盛り込むか」、「困った家族や当事者が地域でアルコール相談を行い易いシステムをどう構築するか」、「都道府県単位で推進計画を策定する際の関係者会議の設置と恒常的なアルコール健康障害対策協議会の設 置を盛り込めるか」です。

学会員の皆様! 2016 年2月には関係者会議での基本計画の結論が出て、5月末までには国の最終的な基本計画が決定されます。その後は、国の基本計画を踏まえ、都道府県における推進計画が決定されます。都道府県レベルの取り組みとして、是非、先生方の奮起を期待します。

当面、推進計画策定のために、県庁の責任部署を決定してもらうこと、その部署との折衝を通して推進計画の決定プロセスに関与し、学会員の声が反映されること、これらに尽力されることを願っています。

骨子案(健診、医療、研究、推進体制に関わる部分のみ記載)に対しては第 11 回関係者会議で既に何点もの改善の要請をしています。下線部分は著者らが要点と考えた箇所です(下記参照)。

<資料 アルコール健康障害対策基本法骨子案 Ⅳ 基本的施 策、Ⅴ 推進体制>

Ⅳ 基本的施策

3.健康診断及び保健指導
(1)地域における保健指導による減酒支援の調査研究等
  • 飲酒がアルコール健康障害に及ぼす影響の分析研究を行う。
  • 保健指導におけるアルコール使用障害スクリーニングとその評価結果に基づくブリーフインターベンションがどの程度行われているのか、また、アルコール健康障害を予防するための早期介入の手法(危険な飲酒や有害な飲酒に対する介入手法であるブリーフインターベンションの効果検証を含む。)について、調査研究を行う
  • アルコール依存症が疑われる者に対しては、保健所や精神保健福祉センターから適切な医療機関を紹介するほか、必要に応じて自助グループ等を紹介するなど断酒に向けた支援を行う。
(2)地域における健康障害予防のための早期介入の推進
  • 健康教育で健康志向を高める啓発を行う。
  • 「標準的な健診・保健指導プログラム【改訂版】」においては、アルコール使用障害スクリーニングの結果、アルコール依存症が疑われる者には専門医療機関への受診につなげることが推奨されているため、その周知を図る。
  • 地方自治体等において、アルコール対策担当者へ、アルコール健康障害の基礎知識や最新の動向等、健康の保持・増進のために必要な保健事業を行うための講習会を実施する。
  • アルコール健康障害の早期介入の取組として、地域モデル確立に向けた調査研究や人材育成を行う。
(3)職域における対応の促進
  • 医療機関と産業保健スタッフの連携強化を図る。アルコール健康問題に関する産業保健スタッフへの研修の充実を図る。保健指導がどの程度行われているのか、どのような方法で対応できるか調査研究の実施について検討する。
4.アルコール健康障害に係る医療の充実等
(1)アルコール健康障害に係る医療の質の向上
  • 早期発見、早期介入のための専門的な医療従事者向け研修プログラムを開発し、人材育成に努める。
  • アルコール依存症が疑われる者を適切な治療に結び付けるため、早期介入の手法を含むアルコール依存症等の研修を、内科、救急等の一般医療、専門医療の医療従事者に対して行うなど、医療関係者の技術の向上に取り組む。
  • アルコール健康障害の医療に関する研究を推進するとともに、治療やリハビリに関わる医療従事者の人材育成を図る。
  • 臨床研修において経験が求められる疾患・病態の中にアルコール依存症が含まれており、当該研修を推進していく中でアルコール依存症への診療能力を持った医師の育成を図る。
  • 地域におけるアルコール依存症の治療等の拠点となる専門医療機関を整備する。○アルコール健康障害の医療に関する研究、治療及び人材育成の全国的な中心となる拠点医療機関を定める。
(2)医療連携の推進(内科、救急等の一般医療と専門医療の連携)
  • 依存症治療拠点機関設置運営事業における依存症治療拠点機関を中心に、一般医療との連携モデル創設に取組む。
  • 連携モデルを踏まえ、依存症の専門医療機関の実態把握及び求められる機能についての調査研究を行い、集積した知見を基に、専門医療機関を充実させる。
  • 地域において、アルコール健康障害を有している者が受診していることが多いと考えられる一般医療機関と専門医療機関との連携を促進する。
  • 専門医療機関を中心として、一般医療機関や民間団体等の関係機関との連携を強化する。

Ⅴ 推進体制

1.関連施策との有機的な連携について
  • アルコール関連問題に関する施策との有機的な連携について。
2.都道府県における都道府県アルコール健康障害対策推進計画の策定について
  • 都道府県アルコール健康障害対策推進計画の策定について。
  • 策定に際して、地域の有識者や当事者等の意見の反映について。
  • 関連する部局、関係機関の連絡調整を密に行う。
3.第 1 期基本計画の見直しについて
  • 目標の達成状況について、適時に調査、結果公表する。
  • そのうえで、調査結果の表等を踏まえ、必要に応じ見直しを行う。
4.厚生労働省への円滑な事務移管について
  • 円滑に事務移管を進めるため、内閣府及び厚生労働省において連携を図りながら所用の準備を進めることについて。

12. インターネット依存症について

中山秀紀(独立行政法人 国立病院機構久里浜医療センター)

1.インターネットの普及

この十数年でインターネットの普及は目覚ましいものがあり(総務省通信動向調査では H26 年の個人普及率 82.8%)、またその利便性からすでに我々の生活は直接的、間接的にインターネット抜きには考えられなくなっています。しかし負の側面もあることが知られており、いじめや詐欺、浪費、犯罪、情報流出 そして依存(嗜癖)などの問題点が指摘されています。本稿では依存問題について取り上げます。

2.インターネット依存の現状・疫学

インターネットの普及はこの十数年であり、その依存が話題となったのも最近なので、まだ定義、概念、診断基準などが固まっていません。2013 年に発表された DSM5 では、今後の研究のための病態(正式な診断基準ではない)の項目に、インターネットゲーム(オンラインゲーム)障害として診断基準が掲載されました。実際の臨床現場では、インターネット使用によって何らかの悪影響の出ている人についてインターネット使用障害としてとらえてよいかと思います。

大規模な調査に関してはスクリーニングテストを用いたものがほとんどということになります。本邦の中高生約 10 万人対象の調査では、男子 6.4%、女子 9.9%にインターネット依存が疑わ れたとされています。概ね中学~大学生の世代で罹患率が高いのですが、男女差ははっきりしていません。欧米より東アジア諸国での調査のほうが、罹患率が高いという報告が多いようです。

3.インターネット依存の悪影響

インターネット依存は様々な悪影響を来します。遅刻、欠席、成績低下、留年などの社会的影響や昼夜逆転などの生活の乱れ、家族との対立、社会的孤立などが注目されていますが、極度な運動不足や食生活の乱れなどによる身体的な悪影響も見過ごせません。特に成長に重要な時期である青少年期にインターネット依存による不登校などがあると、その後の人生に重大な悪影響が出てしまいます。

4.インターネット依存に合併しやすい精神疾患・発達障害

インターネット依存者には精神疾患(症状)や発達障害を合併しやすいことが知られています。構造化面接法による調査では、注意欠陥多動障害やうつ病、社会不安障害、強迫性障害などの合併が多いと報告されています。また夜間の睡眠時間の減少、睡眠の質の低下、攻撃的な態度を取りやすいことなどが報告されています。インターネット依存者の診断、治療にはこれらに留意する必要があります。

5.インターネット依存の治療・対処

アルコール・薬物の場合では断酒・断薬を目標とすることがほとんどです。一方インターネット依存の場合は節ネット(節度のあるインターネット使用)を目標とすることが多いようです。一番の理由としてはインターネットが生活必需品となっていて、家庭や学校で一人だけインターネットが禁止するのが困難であるからです。医学的な治療として、インターネット依存単独に対しては認知行動療法などの心理療法が、うつ病や注意欠陥多動障害などの合併症がある場合には、薬物療法と心理療法の組み合わせが有効であることが報告されています。他には中高生に対する治療キャンプの有効性も報告されています。

教育機関においても、ゲームやインターネットの使用時間(夜 9 時までなど)・使用方法(フィルタリングの設定など)を決めたり、「ノーゲームデー」・「ノーケータイデー」などなるべく電子メディアに触れない日を設定するなどの取り組みが報告されています。

現在日本では、ドラッグやアルコール、ギャンブルなど「依存を形成しやすいもの」に対して未成年者(成年者も)が不適切な使用をしないように法的規制があります。しかしインターネットは「依存を形成しやすいもの」にもかかわらず、現在のところ未成年者に対する法的規制はほとんどありません。法的規制が適当かどうかはわかりませんが、今後は「依存を形成しやすいもの」から未成年者を守るという視点からも、インターネットとの付き合い方を考えるべきでしょう。

13. 施設紹介:埼玉県立精神医療センター


写真:埼玉県立精神医療センターの外観
成瀬暢也
(副病院長)

当センターは、1990 年に旧大宮(現、さいたま市)の北、伊奈町に開設され、今年で 25 年になります。開設当時は、埼玉県立精神保健総合センターの名称で、病院、精神保健福祉センター、社会復帰の 3 部門から成り立ち、多くの若いスタッフが「他でできないことをやろう」という熱い意気込みでスタートしました。

病院部門は、民間の医療機関で対応が難しい分野を請け負うという役割を持ち、紹介された患者さんをマンパワーによる手厚い入院治療を行った後に紹介先に戻ってもらう、という形をとりました。そのため、当センターには待合室らしい待合室はありません。その後、2002 年の組織改編により、精神医療センターと精神保健福祉センターに分かれて今日に至っています。

病棟は、身体合併症(30 床)、依存症(40 床)、対応困難・治療困難(50 床)の 3 病棟 120 床でスタートしました。その後、児童思春期病棟(30 床)、救急病棟(50 床)が増設され 200 床 となり、さらには医療観察病棟(33 床)の増設に伴い、慢性期病棟となっていた対応困難・治療困難病棟を廃止し、現在は 183 床で運営しています。常勤精神科医 24 名、看護師 151 名、PSW12 名、臨床心理士 8 名、作業療法士 5 名などが勤務しています。

依存症病棟は閉鎖病棟で、アルコール、薬物の患者さんがその区別なく、旧久里浜方式の集団治療プログラムに参加する形をとりました。当時は、中毒性精神病も含めてすべて依存症病棟で対応していました。患者さんは言動が激しい人が多く、いつどこで何が起こるか、戦々恐々としていた時期もありました。スタッフは当時の關紳一病棟医長(現、済生会鴻巣病院院長)を父親役、代々の看護師長を母親役として、スタッフが一丸となりお互い支え合っていました。

その後を成瀬暢也病棟医長が引き継ぎ、2014 年 3 月まで担当しました。この間に、依存症患者さんの特徴や治療内容、治療スタンスなどが随分と変化しています。患者さんが大人しくなったこと、一律に 3 か月(現在 8 週間)のプログラム参加を主としてきた治療から個別対応の重視へ移行したこと、入院治療から外来治療に比重が移りつつあること、「直面化・対決」から「動機づけ・ごほうび」にスタンスが変化していることなどが挙げられます。また、中毒性精神病で救急病棟に入院となった患者さんを、速やかに依存症治療に繋ぐことを意識した対応を行っています。

外来部門では、「ようこそ外来」をモットーに、患者さんを温かく歓迎して迎え入れる意識をもって積極的に依存症患者さんを受け入れています。必要な時にタイムリーに受けられるように、現在は 5 名の医師が依存症外来を担当しています。外来ミーティングを週2回、外来勉強会を月2回行っています。薬物依存症には SMARPP を取り入れた全 36 回 9 ヵ月基本の LIFE プログラムを2008 年より実施しています。スタッフは、さまざまな用途に合わせた治療介入グッズを積極的に作成しており、既に 18 種類にも上ります。これらのツールにより、経験の浅いスタッフでも治療介入をしやすくすることができています。

とはいっても、なかなか理想通りにいかない面もあります。県立病院の宿命で、数年単位で異動がありスタッフの専門性を高めることに限界があります。勢い、誰でもできる依存症治療を模索せざるを得ません。どんな方法がよいのか、どんな工夫ができるのかを積極的に検討し、うまくいきそうなことは学会や講演会などで報告するようにしています。また、10 年以上前から、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所が主催する薬物依存臨床研修の病院実習を担当しています。このような場でも、特別な病棟がなくても薬物依存症は治療できることを具体的にお伝えしています。

研究については、主に薬物依存の臨床研究を行っており、学会でも積極的に発表しています。2015 年 4 月より、精神保健研究所薬物依存研究部長であった和田清先生が、当センターに新設された依存症治療研究部長として赴任されました。質の高い臨床研究ができる素地ができたことを、一同大変嬉しく思っております。

2014 年 10 月の第 36 回日本アルコール関連問題学会横浜大会では、県立病院としてさまざまな制約がある中、長尾眞理子病院長を初めとして病院スタッフ、さらには 40 名の実行委員の方々、合同開催の日本依存神経精神科学会大会長の宮田久嗣先生、日本アルコール・薬物医学会大会長の松下幸生先生のご尽力で、無事に終えることができました。ご支援いただきました多くのみなさまに改めてお礼申し上げます。


写真:研修医と医局員