8 – 1号 ( 2023 年 12 月 )

1.「 e – 健康づくりネット」について

堀江 義則
( 医療法人社団 慶洋会 ケイアイクリニック )

厚生労働省は、日本全国の地方自治体や企業・団体などで、健康づくりの取り組みを検討・実施されている方々に向けた、健康づくり支援の総合情報サイト「 e -健康づくりネット」を立ち上げています( https://e-kennet.mhlw.go.jp )。健康づくり支援を担当されている方に知っておいてもらいたい情報や、健康づくり施策の参考となる情報を対象やシチュエーションごとに活用できるパンフレット、パンフレットごとの解説書や、生活習慣の改善に役立つ記録シートなどが用意されています。

このサイトにおいて、肥満予防などと並んで、「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」について、男女別にわかりやすく解説した健康づくり支援ツールを作成しました。まず、2023 年 3 月に、東京医科歯科大学 公衆衛生看護学分野の月野木ルミ先生の監修で「習慣を変える、未来に備える あなたが決める、お酒のたしなみ方(女性編)」が立ち上がりました。飲酒が及ぼす健康障害の解説に加え、アルコール依存症のスクリーニングテストやブリーフ・インターベンションによる減酒支援についても解説されています。2023 年 8 月には、小生の監修で「習慣を変える、未来に備える あなたが決める、お酒のたしなみ方(男性編)」を立ち上げました。今回は女性編と同様に飲酒が及ぼす健康障害の解説、アルコール依存症のスクリーニングテストやブリーフ・インターベンションによる減酒支援も解説しましたが、脳への影響や肝臓でのアルコール代謝について、睡眠への影響なども頁数を増やして解説しています。

さらに「課題の背景にあるエビデンスの情報」と題して、ブリーフ・インターベンションの多くに組み込まれている、6 つの要素( FRAMES、① Feedback 、② Responsibility、③ Advice、④ Menu、 ⑤ Empathy、⑥ Self – efficacy )などのコンテンツについても解説しています。動機づけ面接の5つの原則やその効果についても解説しています。最近の話題であるコンピューターを使った減酒介入についてエビデンスを示し、個人にあわせた規範的フィードバックや、動機付けフィードバック、飲酒を断る方法の伝授から、認知行動療法の要素を盛り込んだ介入まで幅広い介入が存在することも紹介しています。

FRAMES にある項目以外にも、飲酒の衝動や欲求を生み出す要因を回避するための対策を講じる「問題解決( problem solving )」、「目標設定( goal – setting )」、飲酒日記などの「セルフモニタリング( self – monitoring )」、「行動のきっかけになるものを避ける/減らす( avoidance / reducing exposure to cues for behavior )」、メリットとデメリットの検討( pros and cons )、報酬とペナルティを伴う行動契約( behavioral contracting with rewards and penalties )など、その他の行動変容のテクニックも紹介しています。今回の情報は、evidence – based にこだわっており、各情報に対する参考文献や文献調査の詳細情報も記載しています。当学会ホームページにリンクのバーナーもありますので、研究や臨床に是非ご活用ください。

2.第 58 回日本アルコール・アディクション医学 会度学術総会(岡山)を終えて

神田 秀幸
( 岡山大学学術研究院 医歯薬学域公衆衛生学 )

第 58 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会を、令和 5 年 10 月 13 日(金)~ 15 日(日)の会期にて第 45 回日本アルコール関連問題学会と共催で開催し、無事終了することができました。

テーマを「依存症・アディクションに向き合う未来 ― コロナ禍を超えて ― 」とし、そのテーマに沿った内容の企画といたしました。コロナ禍明けに対応し、全面対面形式で開催しました。学会準備、運営については、準備委員の先生方をはじめ会員のアドバイスなどを頂きながら随時修正し、アルコール関連問題学会の先生方とも密に連絡・協力を取りながら企画・運営を進めました。また、プログラム委員の皆さんには忙しい業務に加えて、迅速な対応や調整をいただき、紙面を借りて厚く御礼申し上げます。一般演題には想定を上回る口演希望があり、口演からポスター発表に変更をして頂いた演題が多数あり、発表の皆様にはご迷惑をおかけ致しました。

皆様のお陰をもちまして、3 日間の総参加者数は、目標にしていた1000 人を越える1028 名でした。

1日目は、開会式、合同シンポジウム 2 企画の後、当学会国際シンポジウムとして「フィリピンの薬物問題に対する国際支援プロジェクト中間報告」と題し、フィリピンで行われた薬物使用者に対する超法規的な制裁政策に対して、日本政府が国際協力機構 ( JICA ) を通し人道的観点から薬物問題への支援を行っている取組みが報告されました。シンポジストは、日本側の研究者、フィリピン保健省担当官および JICA フィリピン駐在員もあり、国際的視野に立った議論が交わされました。

2 日目は、特別講演、シンポジウム、一般演題、産業医研修、市民公開講座、ポスター発表など、一日を通して、アルコール・薬物依存に関する学際的な企画が行われました。

3 日目も、2 日目と同様の企画が行われました。中でも、依存症患者の異状死の実態に関するシンポジウム、物質依存と行動嗜癖の差異を論じるシンポジウムでは、法医学や精神医学、内科学、画像診断学など各専門領域からの多角的な示唆が与えられ、活発な議論が行われました。

3 日目午後は2学会合同での市民公開講座を開催し、特別講演( 松本俊彦先生 )とアルコール依存症当事者からのメッセージと討議が行われました。3 時間に及ぶ企画でしたが、一般市民の参加は 120 名があり、関心の高さが伺えました。

無事に終了することができましたことは何より関係者皆様のおかげと深く感謝しております。

3.第 59 回日本アルコール・アディクション 医学会学術総会のご案内

堀江 義則
( 医療法人社団 慶洋会ケイアイクリニック )

この度、日本アルコール・アディクション医学会と日本アルコール関連問題学会で、2024 年度アルコール・薬物依存関連 学会合同学術総会を 2024 年 9 月 19 日(木)~ 21 日(土)の 3 日間、シェーンバッハ・サボー(東京都 千代田区平河町)にて開催させて頂くことになりました。

日本アルコール・アディクション医学会学術総会としては、日本アルコール・薬物医学会での総会も含めると第 59 回となります。第一線で取り組む医療従事者や当事者の多くの経験に加え、最先端科学による学術研究をもとに長年依存症治療について討議してきましたが、学際的に各方面に配慮する中でいろいろな意見が交錯し、議論の場から抜け出せずにいたように思います。アルコール依存症患者の飲酒量を低減させる新しい薬剤が上市され、アルコール依存症治療において断酒から飲酒量低減へのパラダイムシフトが起きています。特にアルコール依存症については、そろそろ多方面からの意見を集約して、新しい方向性を提示する「依存症治療の創造」の時期に来ていると思います。

また、物質依存に加えて、ゲームやギャンブルなど特定の行動に対する自制できない程度ののめり込みを含めた、嗜癖(アディクション)が近年大きな社会問題となっています。折しも 2023 年 4 月には、大阪府・市が申請したカジノを含む統合型リゾート( IR )の区域整備計画が認定され、日本初の IR が誕生する見通しとなっています。ギャンブル等依存症対策推進基本計画が策定されましたが、その実質的な対応は緒についたばかりです。多様化するアディクションに対応していく上で、包括的な研究・教育・治療体制を整備することが必要です。当学会での学術的な交流を通して、アディクション研究を拡充させることで関係機関との連携を強化して、学際的な新たな学術分野である「アディクション学の創成」を提案したいと思います。

「依存症治療の創造とアディクション学の創成 ― つなぐ想いと未来(あした)への挑戦 ― 」をテーマに学会の開催内容にも工夫を凝らし、次世代へ諸先輩方の思いをつなぎながらも、時代に応じた 行動・意識変容が体現出来るような学術総会としたいと思います。新しい依存症治療とアディクション学の在り方を、参加者の皆様と共に考える学術総会にしたいと思います。東京での開催は 8 年ぶりとなります。2023年度に続き、ハイブリッドではなく現地開催とし、懇親会なども行う予定です。多くの方々のご参加・ご登録をお待ちしています。

4.施設紹介:東京保護観察所 立川支部

有野 雄大
( 東京保護観察所 立川支部 )

保護観察所では、社会内で生活している、犯罪をした人や非行のある少年を指導したり支援したりする仕事をしています。その主な担い手は、法務省所属の保護観察官ですが、保護観察を受ける人は地域で生活していることから、その地域の事情をよく承知している保護司( 法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員 )と協力して、保護観察や、矯正施設( 刑務所や少年院 )に収容されている人の社会復帰に向けた生活環境の調整を行っています。

東京都には、区部を管轄する東京保護観察所( 本庁 )と、市町村部を担当する、その立川支部があります。私は、東京保護観察所立川支部( 以下「当庁」といいます。)の薬物施策班に所属しています。

薬物施策班に所属する保護観察官は、それぞれ担当する地域の保護観察事件や生活環境の調整事件を全て担当する傍ら、覚醒剤や大麻などの違法薬物の所持・使用によって保護観察を受けている人に対する指導や支援に関する事務に従事しています。このうち、大きな比重を占めるのが、薬物再乱用防止プログラムの集団実施です。

薬物再乱用防止プログラムは、教育課程と簡易薬物検出検査で構成され、教育課程は、保護観察開始からおおむね3か月以内に、2週間に1回の頻度で計5回行うコアプログラムと、コアプログラム終了後、原則として保護観察が終了するまでおおむね月1回の頻度で行うステップアッププログラムで構成されています。この12月には、SMARPP – 24の内容を反映させてワークブックがリニューアルされたほか、大麻事犯により保護観察となった人向けのワークブックが作成されたり、薬物事犯の人に対するアセスメントの一環としてDAST – 20 を実施したりしています。

当庁では、職員のマンパワーを考慮して、男性の仮釈放者と刑の一部の執行猶予者に対して、薬物再乱用防止プログラムを集団で実施しています。現在は、毎月第2・4水曜日の午後にコアプログラムを、毎月第1水曜日の午前と午後にステップアッププログラムを、6名の保護観察官が役割分担して行っています。プログラムでは、八王子ダルクや多摩総合精神保健福祉センターの御協力をいただいているほか、国立精神・神経医療研究センターのスタッフの御指導を受ける機会も設けています。

また、平日は仕事に就いている人が多いことから、今年度から、日曜日にも3つの地域でプログラムを実施しています。ここでは、保護観察官だけでなく、地域の保護司や関係者の方の御協力を仰ぎ、地域性を活かしてプログラムを実施しています。

加えて、薬物事犯に限らないのですが、矯正施設に収容されている人や保護観察を受けている人の家族を対象とした家族会を毎月地域で開催しています。こちらも、保護観察官だけでなく、地域の保護司や自治体の職員、大学教員ら関係者の方の御協力を得て実施しています。

保護観察では、“ 息の長い ” 支援をキャッチフレーズとして、地域の関係機関・団体の方と連携しながら、矯正施設に収容されている人や保護観察を受けている人の指導や支援を行っています。今後とも、地域の皆様の御理解と御協力をどうぞよろしくお願いいたします。

5.研究室紹介

米山 奈奈子
( 秋田大学大学院医学系研究科
保健学専攻看護学講座精神保健看護学 )

秋田大学は昭和 24 年に学芸学部( 現、教育文化学部 )と鉱山学部( 現、国際資源学部 )からなる大学として開設され、医学部は昭和 45 年に設置されました。昭和 47 年には医学部付属看護学校、平成元年 10 月には医療短期大学部、平成 14 年 10 月に医学部保健学科が設置されました。その後平成 19 年には医学大学院が改組となり、医学系大学院保健学専攻が設置され現在に至っています。保健学専攻には、看護学講座の他、理学療法学講座、作業療法学講座が設置されています。現在の看護学講座は大講座制で、8 つの分野から構成されており、精神保健看護学分野はそのうちの一つです。

米山奈奈子は、医療技術短期大学部が大学に移行する平成16年4月に助教授として着任し、平成 21 年 10 月より教授を務めています。秋田大学の精神保健看護学分野における教育・研究の責任者としてのみならず、地域のメンタルヘルスの向上に貢献すべく、様々な精神保健福祉活動を支援し、国や県の政策提言にも関与しています。主な研究テーマは、① アディクション問題に関わる看護、② 援助職のメンタルヘルス支援、③ 暴力被害者への看護(フォレンジック看護)です。

① については、アディクション問題を抱える家族や当事者の回復に関して、大学院生とともに研究をすすめてきました。アディクション問題を抱える家族の研究は、ひところに比較して進んできましたが、家族の困難への支援策は十分ではありません。専門職のアディクション問題への取り組みを強化するためにも、様々な機関と連携し教育啓発活動を行っています。
② は、看護職を含めて介護や福祉職も、いわゆる「困難ケース」への対応に苦慮していることから、相談支援を支える事例検討などの活動に関与しています。こうした関係者との連携は、学部学生の教育にも生かすことができています。
③ は、DV や虐待などの暴力、特に性暴力被害者への看護支援に関する研究です。フォレンジック看護は、看護学の一領域として北米で1970年代から新たに発展してきました。米山は、志を同じくする仲間たちと 2014 年に日本フォレンジック看護学会を立ち上げ、性暴力被害者支援をすすめる看護職の養成や支援について、複数大学の研究者とともに共同研究を進めています。

本学の精神保健看護学分野が大切にしているのは、フラットな人間関係、アサーションを基本とするコミュニケーションの活用と、『人々の生活の中に研究テーマがある』ことを忘れずに謙虚に取り組む姿勢、です。

2023 年は、図らずも東北アルコール関連問題学会秋田大会と第33回日本嗜癖行動学会秋田大会において、米山が大会長を務めました。日本嗜癖行動学会は今回で閉会となるため、最後の学術集会となりました。こちらはオンデマンド配信中で、2024 年 1 月 31 日まで参加申し込みが可能です。この場を借りての宣伝となりますが、ぜひとも HP をお尋ねください。https://society.iff.or.jp/ news23-11-20/ 多くの皆様にご参加いただけると大変ありがたく思います。

6.読み物
移りゆく脂肪肝の名称と飲酒の関係

今 一義
( 順天堂大学 医学部消化器内科 )

かつての肝疾患研究の中心であったウイルス性肝炎が近年は大きく後退し、昨今の肝臓学では脂肪肝と関連疾患群が最重要テーマであると言っても過言ではありません。この脂肪肝の疾患概念が、いま飲酒との関係も含めて大きく変わろうとしています。

まず 2020 年 5 月に代謝障害関連脂肪性肝疾患 Metabolic dysfunction – Associated fatty liver disease( MAFLD )が欧州を中心とした International Consensus Panel で提唱されました。MAFLD は肥満ないし 2 型糖尿病、メタボリック症候群関連疾患といった代謝障害を伴う脂肪肝が全て含まれ、組み入れ基準を重視しているのが従来の非アルコール性脂肪性肝疾患 NAFLD との大きな相違点です。MAFLD の診断には飲酒歴や肝炎ウイルス感染の有無を問わないため従来の NAFLD とアルコール性肝障害の多くが含まれることになり、許容幅の大変大きな診断基準でした。一方、やせ型の NAFLD およびアルコール性肝障害の患者の一部は MAFLD の診断に至らない場合がありました。

次いで、2023 年 6 月には米国および欧州の肝臓学会が中心となり、脂肪肝全体を Steatotic liver disease ( SLD ) と呼称することが新たに提唱されました。併せて、有意な飲酒歴がない( 純エタノール換算で女性 140 g / 週未満、男性 210 g / 週未満)ものを Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease ( MASLD ) 、過剰な飲酒歴を有する( 純エタノール換算で女性 350 g / 週超、男性 420 g / 週超 )患者を Alcohol – associated ( Alcohol – related ) Liver Disease ( ALD ) とし、飲酒量がちょうど MASLD と ALD の中間層に入る場合を Met – ALD と呼称することが発表されました。今回の新疾患概念の背景には多分に社会的な要素が含まれており、「 Alcoholic 」および「 Fatty 」が差別的な単語であるため使用しないようにする、とされています。日本人からするといずれの単語もあまり差別的なイメージはなく、いまひとつピンとこない話なのですが、SLD の提唱には日本肝臓学会および日本消化器病学会も賛同しており、今後もこの潮流が変わることは無さそうです。SLD では薬物性肝障害や遺伝子疾患による脂肪肝は別に細分化されているのも特徴的です。なお、MASLD の診断基準はほぼ従来の NAFLD と同一ですが、MASLD の診断基準に「 5 つの心臓代謝危険因子のうち 1 つ以上を含む」こととあるため、NAFLD 患者の一部ではMASLD に含まれず、Cryptogenic( 原因不明の )SLD と診断される場合があることにも注意が必要です。

日本語訳についてもSLDは脂肪性肝疾患、ALD はアルコール関連肝疾患で良さそうですが、MASLD やMet – ALD をどうするのか。脂肪肝の概念、名称についてはしばらく落ち着かない状況が続きそうです。

7.事務局からのご連絡

【年会費の改定について】

当学会では、2024 年度分(2024 年 8 月 1 日〜)より年会費を改定させていただくことになりました。ご了承いただけますようお願いいたします。

改訂前 改訂後
正 会 員 7,000 円 8,000 円
学術評議員 12,000 円 14,000 円

【年会費支払い方法について】

先にお送りした払込取扱票に記載の金額の納入をお願いいたします。払込取扱票の送付をご希望の方は、事務局までご連絡ください。
下記の口座へ直接お振り込みいただくことも可能です。

  • 郵便振込
    01090-4-8560
    日本アルコール・アディクション医学会
  • 銀行口座
    ① ゆうちょ銀行
    四四八(よんよんはち)支店 (店番448)
    普通 0009271
    ② 三菱UFJ 銀行 出町(でまち)支店 (店番506)
    普通 4322713
    口座名はいずれも「日本アルコール・アディクション医学会」
    継続して 3 年以上会費を滞納した時には会員の資格が喪失されますので、ご注意ください。

【ご入退会・変更等手続きについて】

周囲に当学会へご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非、本学会へのご入会をお勧めください。

1) 入会について

HP 上 ( https://www.jmsaas.or.jp/step/application/ ) のフォームから、お申込みください。入会には理事会審査( 1 か月に 1 度)が必要になるため、正式なご入会までには最大 2 か月程度お時間をいただくことがございます。

2) 変更について

ご所属、ご職名などに変更がありましたら、HP 上 ( https://www.jmsaas.or.jp/step/variouschange/ ) のフォームに必要事項をご記入の上、ご連絡ください。

3) 退会について

HP ( https://www.jmsaas.or.jp/step/variouschange/ ) のフォームまたは e – mail、FAX、郵送等文書に残る手段で、①フルネーム、②連絡先、③退会年度をご連絡ください。

【連絡先】

日本アルコール・アディクション医学会 事務局
TEL / FAX : 075-251-5345
mail : 

【啓発用リーフレットについて】

当学会では「あなたの飲酒が心配です」とした、啓発用のリーフレットを 1 部 30 円で下記印刷所に販売委託をしております。ご希望の方は下記までご連絡ください。

  • 会社名 :畠山印刷株式会社
  • 所在地 :三重県四日市市西浦 2 丁目 13-20
  • 電 話 :059-351-2711(代)
  • FAX :059-351-5340
  • Email :hpc-ltd@cty-net.ne.jp

※学会ホームページにも同様のお知らせを掲載しております。

8.編集後記

上村 公一
( 東京医科歯科大学 法医学分野 )

ニューズレター( NL )8 − 1 をお届けいたします。従来からの紙による配送は 7 – 1 号で終わり、前号の 7 – 2 号からネット配信専用になりました。いかがでしょうか。NL もオンライン化で編集・作成・配信の機動性が向上したと思います。発行時期も少し前だおしができ、年内の発行となりました。

今号も盛りだくさんな内容です。理事長の堀江先生から健康づくり支援の総合情報サイト「 e – 健康づくりネット」についての紹介、神田先生から、今年の岡山での第 58 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会の成果について、ご寄稿いただきました。また、来年、東京で開催される第 59 回日本アルコール・アディクション医学会学術総会について、堀江先生からご案内をいただきました。施設紹介として、法務省の埼玉保護観察所の有野先生から矯正施設での保護観察の指導・支援活動報告をいただきました。研究室紹介は秋田大学の米山先生から精神保健看護学分野の研究活動について報告をいただきました。読み物は順天堂大学の今先生から移りゆく脂肪肝の名称と飲酒の関係について解説していただきました。

新型コロナウイルス感染症( COVID19 )の流行が始まって 4 年目に入り、新型コロナウイルス感染症の位置づけは、インフルエンザと同じ扱いになりました。研究・診療・教育活動もほぼ従来と同じ活動ができるようになりました。

2023 年 12 月 6 日に国会で薬物関係の法律が改正され、医療用の大麻使用は認められました。改正「大麻取締法」では大麻草を原料にした医薬品の使用禁止が削除され、改正「麻薬及び向精神薬取締法」では大麻を「麻薬」に位置づけ、大麻草から製造された医薬品の施用等を可能としました。一方、大麻はすでに禁止されている「所持」や「譲渡」などに加え、「使用」の禁止規定を盛り込んでいます。従来と同様、嗜好用の大麻使用は絶対に認めないことに変わりありません。警察庁によると、大麻の所持や栽培などで警察に検挙されたのは 2022 年では 5342 人で、過去最多だった一昨年の 5482 人に次いで過去2番 目に多くなりました。年代別にみると、20 代以下の若年層が全体の 70 % 余りを占めています。今後、社会的に大麻の適切な使用が求められます。本学会では、他国の大麻使用状況や本邦での医療用大麻の使用状況を含め、大麻使用全般の情報収取を適格に進めるとともに、今後の大麻使用の在り方を討議してまいります。ニューズレターでも、討議内容についても迅速に情報発信をはかっていきたいと思います。JMSAAS 会員の皆さまには引き続いてニューズレターをご存分にご活用ください。